星稜・林監督、夏の甲子園結論先延ばしを切望「生徒たちと真剣に練習に取り組みたい」

[ 2020年5月17日 05:30 ]

星稜・林監督
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、第102回全国高校野球選手権大会(8月10日開幕、甲子園)が中止の方向で検討される中、現場の指導者からも悲痛な声が聞かれた。

 昨夏の甲子園大会で準優勝した星稜の林和成監督(44)は16日、本紙の電話取材に応じ、20日の運営委員会における大会開催可否の結論の先延ばしを切望。終息が見えない現状を十分に理解しながらも、3年生と目標に向け真剣に野球に取り組む時間が欲しいと話した。

 「現状を考えれば、中止の方向という話が出るのも、大人としては理解できる。ただ結論を1カ月、延ばすことはできないのか…というのが正直なところ」

 学校は4月中旬から休校となり全生徒が自宅学習中。ただ、感染者数減少を受け、今月22日から分散登校の開始が決まり6月8日から通常授業、部活動の再開も予定する。

 「共通の目標がある中で、生徒たちと真剣に練習に取り組みたい。仮にダメでも、星稜グラウンドでこれだけ頑張ったんだという日々をともに過ごしたい」

 現状では生徒と再会する22日には結論が出ていることになる。だが、先延ばしとなれば、わずかながらも「甲子園」という目標を持ち、今夏で高校野球を終える3年生と一緒に汗を流すことができる。先延ばしすることに賛否両論があること、感染状況の厳しさも理解する。だが「ずっと見守ってきて、毎日携わってきた親心もある」と生徒の心情に思いを寄せた。

 出場を決めていた今春の選抜大会は開幕8日前の3月11日に中止が決定。「いろいろな意見があるとは思いますが」と前置きし「私としては、最後まで尽力いただいてありがたかった」という。休校期間中は毎日、部員とLINEでのやりとりは欠かさなかったが「生徒の顔を見てみないと、分からないことがある」と再会を心待ちにする。

 夏の甲子園大会中止の場合、石川県は独自の大会を開催する方針だが、やはり大目標を持ってともに過ごした日々は、何ものにも代え難い。生徒の心に寄り添い、少しでもいい形でこの先の人生を進めるよう、林監督は真剣に考えている。(桜井 克也)

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2020年5月17日のニュース