阪神 基本合意の新助っ人・ボーアに球児太鼓判「フォークを見極められた」

[ 2019年11月28日 05:30 ]

6月11日、ドジャース戦で前田健太から3ランを放ったボーア(AP)
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 阪神が来季の新外国人として獲得交渉していたジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)と基本合意に達したことが27日、分かった。谷本修球団本部長(55)が明かした。来月にも正式発表される。長打力が魅力の左打者と、大リーグ時代に対戦経験がある藤川球児投手(39)も「能力が高い」とし、活躍に太鼓判を押した。

 来季のV奪回に向け、一つの大きなピースが埋まった。都内で対応した谷本球団本部長が「基本合意しました。来月には発表できるかなと思います」と獲得を目指していたボーアとの契約が基本合意に達したことを公表。。来季の4番候補として期待される大砲の加入を伝え聞いた藤川は即座に反応した。

 「マイナー時代に対戦したことを覚えています。いい選手。パワーはあります。能力は高い。親日家と聞いていますし、楽しみ」

 カブス傘下にいた14年7月21日(現地時間)にマーリンズ傘下にいた「新助っ人」と初対戦。左前適時打を喫すると、2度目の対戦となった同30日(同)は右直に打ち取ったが、鋭い打球を飛ばされた。「(対戦で)フォークを見極められたことを覚えています。(当時の記憶ですが)バッティングの技術があると思いました。(以前に球団に)いい選手ですよと言ったこともある。(元阪神の)ブラゼルみたいな選手」。わずか2度の対戦ながら記憶は鮮明で、同じ左打者で10年に47本塁打したブラゼルタイプとした。

 当たれば、球場の広さや風をモノともしない規格外の怪力が売り。しかも、引っ張り一辺倒ではなく、反対方向にもアーチを架ける技術を併せ持つ。メジャー通算92本塁打中、左翼に9本、左中間に10本と19本が左方向。浜風にうまく乗せれば、逆方向へも量産可能だ。

 日本野球への関心も高い。マーリンズで25本塁打を放ち、球宴の本塁打競争にも出場した17年オフの12月には、マーリンズで同僚だったイチローに弟子入りすべく来日。神戸で異例の合同自主トレも行った。今年6月11日(同)のドジャース戦では前田健太から中越え3ランを放ち、大谷翔平とアベック弾も記録。日本人投手への対応力も見える。

 今季リーグワーストの538得点、同5位の94本塁打に終わったチームの最大の補強ポイントは、言うまでもなく長打力だった。1メートル93、122キロの巨体から放たれる長打が最大の魅力。数年前から球団も動向を注視し続けていた期待の男の猛虎入りも秒読みだ。驚弾を連発する日が早くも待ち遠しい。(山本 浩之)

 ○…谷本本部長にとってもボーアは4年前から動向を注視していた選手だった。「(甲子園の)球場長だった15年6月にアメリカ視察でマーリンズのイチローを見に行ったんですが、ボーアが4番一塁で右中間の最上段にドデカい本塁打をぶち込んだことを記憶していまして。そこからずっと、いい選手だなと追いかけていました」。逆方向にも簡単に本塁打を放てるパワーには「軽く打って反対側に。ブラゼルとか、古くはバースとかに似ていますよね。“ちょん”で入りますからね」と、球団のレジェンド助っ人の名前を出し期待をかけた。

 ▼ジャスティン・ボーア 1988年5月28日生まれ、米ワシントンDC出身の31歳。2009年ドラフト25巡目(全体770番目)でカブスと契約。13年オフにマーリンズへ移籍し、14年6月5日にメジャーデビュー。18年8月にトレードでのフィリーズ移籍を経て、19年はエンゼルスでプレー。1メートル93、122キロ。右投げ左打ち。

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