接戦の増加に思う…重要な任務を託された投手たちの“最初”

[ 2016年5月14日 10:10 ]

<日・西>9回2死満塁、サヨナラ打を放った近藤(中央)は、祝福の水を掛けられ笑顔

 プロ野球は13日に4試合が行われた。結果は以下の通り。巨人3X―2ヤクルト、阪神3―2DeNA、広島6―3中日、日本ハム5X―4西武。1点差ゲーム3試合、サヨナラゲーム2試合、延長戦2試合と接戦が展開された。

 今季、終盤まで試合がもつれるケースが多い理由のひとつに、各球団の抑え投手の不調があるように思う。13日は中日の福谷、西武の増田、ヤクルトのオンドルセクが救援失敗。同点の9回に登板したDeNAの山崎康は、阪神の新井に勝ち越しの一発を浴びた。

 クローザーに求められる重要な要素とは一体何だろうか。パドレスなどで活躍し、大リーグ通算601セーブを挙げたトレバー・ホフマンは「初球にストライクを取れること」を挙げている。初球ストライク率は、最近注目度を上げている指標の一つ。投手有利なカウントでは被打率が下がるという統計が出ているからだ。

 中日・福谷の場合、ホフマンの理想とはまるで逆だった。広島戦の9回には打者6人に対し、初球ストライクを奪えたのは0。同点に追い付かれたこの回限りでマウンドを降り、チームは延長10回に勝ち越された。

 ほかにも、救援投手の指標に「第1打者被出塁率」がある。代わりばなの成績を示すものだ。13日のようにストッパーが散々な目に遭ったのが4月17日だった。楽天の松井裕はソフトバンク戦で抑え転向後ワースト4失点。日本ハムの増井はロッテ戦で3失点、DeNAの山崎康もヤクルト戦で3失点したが、3投手とも先頭打者に出塁を許していた。

 最初の1球をいかに投げ込み、最初の打者をいかに抑えるか。チームの勝敗がかかるクローザーはタフな仕事だ。重要な任務を託された投手たちの「最初」を注目して見ていきたい。(記者コラム・森 寛一)

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2016年5月14日のニュース