阪神、ロッテ清田ブレークの立役者招へいへ 異色スポーツ整体師

[ 2015年12月26日 06:40 ]

04年、K―1で勝利したボビー・オロゴン(左から2人目)とリング上で喜びを分かち合う広戸聡一氏(右端)

 来季の新スローガンに『超変革』を掲げる金本阪神がまた一つ、新たな試みを実行する。来春の沖縄宜野座キャンプの臨時講師に、JOC(日本オリンピック委員会)の強化スタッフを務めるなど「4スタンス理論」の提唱者でスポーツ整体師の広戸聡一氏(54)を数日間にわたって招くことが25日、分かった。

 球団首脳の一人が「選手それぞれの引き出しを増やそうということ。新たな発見であったり潜在能力を引き出すきっかけになることを期待している」と意図を明かした。

 トップアスリートの間では浸透しつつある「4スタンス理論」。人間は元来、体の使い方にそれぞれの特性があり4つのタイプに分類されるというのが理論の骨子だ。広戸氏が手がけた施療は一般人からアスリートまで30万人を超すとされる。

 プロ野球界に目を向ければ13年にロッテとアドバイザリー契約を締結。同氏の指導をきっかけにしてブレークした一人が、今季は130試合出場で初の2桁15本塁打、打率・317を残した清田。昨年4月4日から6日の日本ハム戦にかけて3打席連続本塁打を放った際も助言を送ったと言う。

 阪神の選手も指導により、自らの「タイプ」を知ることができ、特性にあった体の動かし方をすることで能力を最大限に発揮すると同時にケガの予防になる可能性もある。投手、野手ともに当てはまる理論で、通常の技術指導と合わせれば伸び盛りの若手、伸び悩む中堅選手が一気に覚醒することも期待できそうだ。

 広戸氏は総合格闘技団体「パンクラス」でレフェリーを務め、日本ゴルフツアー機構(JGTO)のアドバイザーなどを歴任するなど、活躍は多方面に及ぶ。経験、実績とも豊富で、猛虎に浮上のきっかけを与える存在となりそうだ。

 ◆4スタンス理論 人間のスタンス(立ち方)は自然に立った時に重心位置が異なり大きく4つに分類されるという理論。「つま先側で内側に集まるタイプ」「つま先側で外側に集まるタイプ」「かかと側で内側に集まるタイプ」「かかと側で外側に集まるタイプ」。それぞれに合った動き(体の動かし方)を行うことで最大限の力が出せるとする。つま先内側タイプにはイチロー(マリナーズ)や本田圭佑(ACミラン)、かかと外側には松井秀喜(元巨人など)や田中将大(ヤンキース)がいる。

 ▽春季キャンプの異種目コーチ

 ☆陸上 トム・テレツ氏 全米陸上コーチでカール・ルイスの育ての親。「スピード&チャージ」を掲げた巨人・長嶋監督が95~97年に招へい。「カール走法」を清原らに伝授した。

 ☆陸上 伊東浩司氏 96年アトランタ五輪1600メートルリレー5位入賞。96、97年に日本ハムの名護キャンプを訪問。俊足選手のランニングフォームをチェックした。

 ☆合気道 渡辺富夫氏 心身統一合気道会師範。10年に阪神2軍の安芸キャンプを訪問。打席での姿勢や力の入れ方についてアドバイスし、夜には宿舎で講演と実技指導を行った。

 ☆ラグビー 山口良治氏 伏見工ラグビー部総監督。11年に阪神2軍安芸キャンプを視察し練習後の講演会では「ユニホームを着て満足しているようではダメ。甲子園でプレーして初めて阪神の選手になる」と若虎を激励した。

 ☆陸上 瀬古利彦氏 元マラソン走者でDeNA陸上部総監督。15年、親交のあるDeNA・中畑監督の激励で宜野湾キャンプを訪れ、選手に走り込みの重要性を説いた。(肩書は当時)

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