菅野 巨人の背番19はオレ!上原さんを超える

[ 2013年1月1日 06:00 ]

プロ入りに向けて「まず一勝」の書き初めを披露する巨人・菅野

 願いは2年越しでかなった。でも、まだ夢の途中だ。巨人のエースになる。そう思い描く菅野が背負う19番は重く、光り輝いている。かつてのエース上原(現レッドソックス)からの継承。自分に厳しい男はあえて、大きな目標を掲げた。

 「僕の中で巨人の19番といえば上原さんです。誰もが知っている偉大な投手。でも、いつかは“19番といったら菅野”だと思ってもらえるように頑張っていきたい」

 上原は高校まで控え投手。1浪して大体大に進学し、菅野と同じドラフト1位で入団した。1年目に20勝を挙げ、新人王どころか沢村賞まで獲得し「雑草魂」と呼ばれた。「とても印象に残っています」。当時、10歳だった菅野の脳裏にも焼き付いている。エリート路線を歩んできたとはいえ、苦しみも味わった。大学4年時に日本ハムに強行指名され、入団を拒否して浪人生活を送った。

 東海大に籍を置いたまま後輩たちと汗を流す日々。「せっかく1年間を過ごすならば」と前向きに捉えた。1年後のプロ入りを見据え、週に1度は紅白戦など実戦登板を続けた。富士山登頂にも挑戦し、心身ともに強化。「天気がいいとグラウンドから見える。いつかはと思ってました」と振り返る。いばらの道を意義ある一年に変えた。

 原監督はおいの菅野について、報道陣に「同じフラットな土俵の中で見てもらいたい。ただの菅野、一ルーキーということでね」とお願いした。菅野も「そういうふう(伯父)に見たことがないです」という。特別扱いなしの横一線。周囲の気遣いに配慮した指揮官のためにも、即戦力右腕として結果を残すだけだ。

 年末は29日まで練習を続け、新年は神奈川県内の実家で迎えた。「楽しみという気持ちよりも不安の方が大きい。プレッシャーもあります。とにかく一年を通して活躍したい」。157キロ右腕のルーキーイヤーが、ついに幕開けする。

続きを表示

2013年1月1日のニュース