福留獲り 阪神・中村GMが進展示唆「遠投から塁間になった」

[ 2012年12月22日 11:59 ]

阪神とDeNAが争奪戦を繰り広げる福留

 阪神・中村勝広ゼネラルマネジャー(GM=63)は21日、獲得を目指してDeNAと争奪戦を繰り広げている福留孝介外野手(35=前ヤンキース傘下3Aスクラントン)との交渉状況に関して“進展”を示唆した。「遠投から始まって塁間になってきた感じ。これからはクイックモーションでのキャッチボール」。条件面での折衝で両者の距離が縮まってきたとみられ、今度こそ最終局面を迎えそうだ。

 中村GMが福留側から希望条件を伝えられたのは移籍先を国内球団に絞ることを明らかにした14日以降だった。具体的内容は不明ながら関係者の話を総合すれば、阪神側の提示条件との差は明らかだったという。同GMの言う「遠投」の始まりだった。

 「いろいろとキャッチボールを続けてきた」

 17日に代理人と電話連絡を取ったことを公にした以降、接触の有無を明確にしてこなかった同GMは水面下では密に連絡を取り合っていたことを認めた。

 先月28日に都内で極秘に対面交渉を持った際、阪神側は3年目の契約更新の選択権を球団が持つ3年契約を提示したとみられる。1年単位では出来高払いを満額で獲得すれば2億円に達する内容で、最大限の敬意と誠意を込めて示した。

 希望条件を聞いた後も球団内で再協議し、基本条件には上積みなどの見直しを加えない方針を固め、福留側にも伝えた。同GMが何度も「マネーゲームはしない」と強調してきたように提示済み条件で折り合いが付かなければ獲得断念も覚悟した上で粘り強く折衝を継続。譲歩できる部分として再提案したのが、出来高払い額を決定する出場試合数などの諸条件の緩和だった。

 17日から5日目、双方が“何球”を投げ合ったかは分からない。ただ、「遠投」から「塁間」まで距離が縮まったことを明らかにした。「クイックモーションになってきた。そういうキャッチボールになってきた」。決着の時が近づいていることを独特の表現で明かした。

 来季逆襲を期して和田監督が希望した右翼手補強。福留獲得がかなわなかった場合について「全力で(交渉に)かかっている。万が一そうなってもトレードや補強は現時点では考えていない」と“捨て身”の姿勢を再び強調。22日からの3連休中にも事態は動くのか。大詰めを迎えたことは間違いない。

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2012年12月22日のニュース