田沢が渡米!“先輩”松坂と合同トレ志願

[ 2008年12月2日 06:00 ]

レッドソックス入りに向け、渡米する田沢純一

 新日本石油ENEOSの田沢純一投手(22)が1日、レッドソックスと正式契約を交わすため渡米した。本拠地・ボストンでメディカルチェックを行い、問題がなければ3日(現地時間)にも3年総額400万ドル(約3億7600万円)のメジャー契約を結ぶ。出発前のチーム合宿所では尊敬する先輩、松坂大輔投手(28)との自主トレを志願した。

 渡米前の朝、普段と変わらず寮で過ごした田沢が、チームメートになる先輩にラブコールを送った。「もし松坂さんの時間があえば、一緒にトレーニングしていただけないでしょうか。新球を教わりたいという気持ちはまだありませんけど」。今月中旬に帰国後も当面はチームで自主トレを続けるが、松坂の都合さえ合えばどこでもはせ参じる。新天地への期待も「(ボストンの)雰囲気を見てきたいと思います」と膨らんでいた。
 午前中はコンビニで購入した軽食を取り、入浴してリラックス。午後2時すぎ、大久保監督に見送られて車に乗り込んだ。この日に行われた新チームのミーティングには出席しなかったものの、日本選手権から帰京後の先月25日、ナインに「これからメジャーに挑戦してきます」とあいさつした。
 ただし約3時間後の成田空港でのヒートアップぶりはすさまじかった。搭乗ゲートには計50人の報道陣が押し寄せ、テレビカメラ6台が追いかけた。父・一恭さん(64)、母・礼子さん(46)、弟・亮二さん(21)とブルゾンに黒のパーカ、ジーンズ、デザートブーツといういでたちで現れた田沢を、空港職員が警護。ファーストクラスより前に搭乗するVIP待遇で扱われた。緊張気味の田沢は無言ながら、搭乗客から「頑張って」「いってらっしゃい」の声に表情を緩ませた。レ軍側にも日米のマスコミ10社以上から問い合わせがあるなど現地の注目度は増している。
 今後は2日(現地時間)にメディカルチェックを受け、早ければ3日(同)にも正式契約を交わす。ドラフト1位評価のアマ選手が、いきなり大リーグ入りするのは初のケース。夢の合同自主トレを切望しながら「TAZAWA」が歴史に名を刻む。

 ≪帰国後母校の終業式であいさつ≫田沢は今回の渡米で正式契約を結び、今月中旬までには帰国する予定。自主トレで体を動かしながら調整を続ける。19日には母校、神奈川・横浜商大高の終業式で約1700人の学生を前にあいさつする予定となっており、恩師でもある野球部の金沢哲男監督(50)は「アマ球界の歴史をかえた先輩の活躍に、生徒たちも関心を持っている」と成長した教え子との対面を楽しみにしていた。

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2008年12月2日のニュース