7連勝!松坂、君はボストンのエースだ

[ 2008年5月19日 06:00 ]

西日を浴びる中で投げる松坂

 【レッドソックス5―3ブルワーズ】レッドソックスの松坂大輔投手(27)が17日(日本時間18日)ボストンで、チームの交流戦初戦、ブルワーズとのダブルヘッダー第1試合に先発し、6回2/3を7安打2失点(自責0)でハーラートップタイの7勝目を飾った。全103球のうち直球とスライダーが約9割と力で押す配球。チームの連敗を4で止め、日本人投手初の開幕7連勝に、地元記者から“エース”の声まで上がった。第2試合もレ軍が7―6で勝利した。

 予想外の質問に松坂は戸惑った。「開幕7連勝でエースという自覚はあるか」。数秒かかって出した答えは「選手としてはずっと勝ち続けたいけど…。ボストンのエースはベケットだと思います」。チームの連敗を4で止め、ハーラートップに並ぶ7勝は米国人記者も認めるエースの働きだ。
 3回まで毎回先頭打者を出し、5回は2死満塁、6回は無死二、三塁のピンチを背負った。しかし得点は許さない。7回2死からウィークスのゴロを三塁手ユーキリスが失策、直後にキャメロンに左中間2ランを浴びたが自責はゼロ。松坂は「エラーだったんですか?ヒットだと思っていた」と話したが、これで防御率はリーグ3位の2・15まで上昇した。スライド登板の影響もなかった。
 この日の103球のうち90球が直球とスライダー。2球種でブ軍打線を抑えた。下半身の使い方を見直し、球威が増した今季、投球への考えはシンプルになった。「四隅をついて投げる投手ではないと割り切って最近は投げている。その日の軸になる球種を見つけ生かす投球を心がけている」。豊富な球種をすべて操ろうとした昨年と違う。
 考えには先がある。「隠すつもりはないけど引き出しを残しておければいい。これからも引き出しの数を増やしたい」。2年目に入り、縦変化だったスライダーに横の変化を加えた。「握りを変えて。日本時代はあまりなかった球種ですね」。進化の作業も続けながら、すべてを披露することはない。それも「長くメジャーでやりたい」という将来のビジョンが明確にあるからだ。
 開幕7連勝は日本人メジャー投手では初の快挙で、昨年9月28日ツインズ戦以来の8連勝も伊良部(当時ヤンキース)野茂(当時ドジャース)と並ぶ最多タイとなった。「自分で(連敗を)止めたいと思っていた。昨年と比べ打者へ投げることへの不安は少ない」。昨年の9試合登板時は6勝2敗ながら今年は無敗。自信はある。エースの称号は周囲が認めて得られることも分かっている。

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2008年5月19日のニュース