銀ちゃん応えた“奇跡の逆転”3点二塁打

[ 2008年5月19日 06:00 ]

楽天を破りタッチを交わす西武・許銘傑(左)と逆転打を放った銀仁朗

 【西武7―3楽天】鮮やかな集中攻撃だった。3点を追う4回だ。まず中島、ブラゼル、G・G・佐藤と、すべて初球打ちの3連打。さらに1死満塁から、今季初スタメンの銀仁朗が左中間を破る。走者一掃の逆転3点二塁打。さらに5連打を浴びせ、田中から7点を奪ってKOした。

 「全然覚えてない。奇跡ですよ。我慢して練習していれば結果は出ると思った。うれしかった」。銀仁朗が興奮気味にまくしたてる。先発の許銘傑と昨年、2軍でバッテリーを組んでいたこともあってのスタメン抜てき。すぐさま結果を出したのは努力のたまものだ。アーリーワーク(早出練習)の常連。西武ドームのデーゲームでは早朝6時30分からウエートトレ、フリー打撃を行う。「量が質を生むんだ!」。大久保打撃コーチの言葉を胸に、つめを研いできた。
 その大久保コーチは、試合前から風を読んでいた。腕時計についた方位磁石を見ながら「南東だな…」。中堅方向からの強い向かい風。お家芸の一発攻勢は不利と判断し「とにかく低い打球を打とう」と指示を出した。銀仁朗の逆転打もライナー性の当たり。今季初の3試合連続ノーアーチながら、西武打線の得点力が落ちることはない。
 今季初の3連敗も阻止した渡辺監督は「きょう負けると、今年一番の危機になると思っていた。選手の“絶対に落とせない”という気持ちが出たよ」。スコアボードに誇らしげに刻まれた「7」。チームは好調をキープしたまま交流戦に入る。

 ≪2年ぶり先発 許銘傑4年ぶり先発勝利≫2年ぶりの先発となった西武の許銘傑(シュウ・ミンチェ)が、06年9月15日のオリックス戦以来となる白星を手にした。初回に無死満塁からいきなり2失点。しかし渡辺監督から「もっと大胆に攻めろ」とアドバイスされ立ち直った。6四球と制球には苦しんだが、先発での勝ち星は04年6月26日のロッテ戦以来4年ぶり。ウイニングボールを手にした許銘傑は「新しい球種(チェンジアップ)も使って結果が出た。野手の人に感謝したい」とうれしそうだった。

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2008年5月19日のニュース