エームサービス社・岡本香さん、松岡未希子さん“食の世界地図”で村岡の栄養管理サポート

[ 2022年3月6日 05:30 ]

北京冬季パラリンピック第2日 アルペンスキー ( 2022年3月5日    国家アルペンセンター )

(左から)松岡さん、パラアルペンスキーの村岡、岡本さん(エームサービス社提供)
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 【支える人(1)】アスリートが4年に1度の舞台にたどり着くまでには、多くの人々の支えがある。それは五輪、パラリンピックともに同じだ。パラアスリートを支える企業や団体、個人の活動を「支える人」と題し、北京パラリンピック期間中に紹介する。初回はパラアルペンスキー女子座位の村岡桃佳の食事をサポートするフードサービス業「エームサービス社」の岡本香さん(34)と松岡未希子さん(42)。

 昨夏の東京パラリンピックは陸上に出場した夏冬二刀流の村岡。実は、食事が苦手だ。「食べることが好きじゃない」。体が資本のアスリートにとって、改善が必要だった。

 そんな村岡をサポートするべく、エームサービス社が名乗りを上げた。同社には13人の公認スポーツ栄養士が在籍。岡本さんと松岡さんも同資格を持つ“スポーツ栄養のスペシャリスト”だ。2人は「村岡選手が北京大会でベストなパフォーマンスが発揮できるように」と準備してきた。

 海外遠征が多く、行く土地によって食生活の環境も変わる。山地での競技のため、現地で購入可能な食材でメニューを作成し、不足する栄養は乾燥野菜などで補った。食事内容は写真で送ってもらい、その都度アドバイス。遠征先で記録したメニューは資料としてデータ化した。「次回、同じ場所に遠征に行く時につながる」と松岡さん。そのデータが増えるたび、村岡だけの食の“世界地図”が充実していく。

 岡本さんが大切にしているのは選手目線だ。「どういうことが選手にできそうか、どのような思いで取り組んでいるのかを確認する。同じ方向を見てサポートしたい」。その思いは村岡にも届いた。「食に対する嫌だなという意識が変わりつつある」。蓄えたエネルギーを力に変え、残りの種目も全力で滑りきる。

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2022年3月6日のニュース