全力士に緊急PCR検査!芝田山広報部長 初場所での「お客さまの安心、安全を一番に」

[ 2021年1月8日 05:30 ]

大相撲初場所が開催される東京・両国国技館に掲げられている白鵬、鶴竜ら力士ののぼり
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 日本相撲協会は7日、新型コロナウイルスのPCR検査を全協会員対象に実施した。初場所(10日初日、両国国技館)を控え、来場客の安全を第一に緊急措置を取った。全協会員対象でのPCR検査は初の試み。検査結果は8日に判明するため、同日予定の取組編成会議が9日に先延ばしとなった。

 1都3県に緊急事態宣言が発令される中、10日に初場所初日を迎える日本相撲協会がPCR検査の実施に踏み切った。対象は年寄、力士、行司、呼び出しら約900人。5日にPCR検査を受けた宮城野部屋と、所属力士の初場所休場が決まっている荒汐部屋は対象外となった。

 相撲協会は昨年の合同稽古への参加力士に限ってPCR検査を実施してきたが、協会員全員の実施は初。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「執行部会で話し合って決めた。(協会は)開催する方向でいくんですけど、足を運んでいただけるお客さまの安心、安全を一番に頭に置いた。信頼性を高めていくということ」と説明した。

 協会はこの日から各部屋に検査キットを配布し、8日に回収を予定。陽性者数や症状によって、感染症の専門家と対応を協議する。これに伴い、初日の2日前に開催することが慣例となっていた取組編成会議は検査結果が出てから実施。場所前日の9日に変更される方向で同日の土俵祭も時間帯などが変更される可能性が高まった。

 感染者の増加に歯止めが掛からず、第一人者の白鵬も5日に感染が判明した。所属する宮城野部屋の力士はPCR検査で陰性だったが、濃厚接触者でもあり、出場は今後判断されるという。芝田山広報部長は「どんと構えるしかない。後は結果が出てどう対処するか」と話す。検査の結果次第では厳しい対応を求められることになりそうだ。

 【相撲界とコロナ】
 ☆11・26 初場所の開催方法が発表され、たまり席は4列目以降を1席空けて使用し、一部を一般販売。1日当たりの席数の上限は約5300人に。
 ☆12・4 外出には師匠の許可を取った上で行動記録をつけることなど新たな行動指針を通達。
 ☆12・6 協会名で各部屋に予防対策の徹底を通達。
 ☆12・10 幕下以下の3力士の新型コロナウイルス感染を発表。
 ☆12・11 立浪部屋で幕内・天空海ら7人が感染したと発表。
 ☆12・15 湊親方の感染を発表。
 ☆12・19 立浪部屋の幕下以下1人が感染したと発表。同部屋では11人目。
 ☆12・31 幕内・若隆景(荒汐部屋)が感染したと発表。
 ☆21年1・1 荒汐親方、十両・若元春ら荒汐部屋11人が感染したと発表。
 ☆1・4 湊部屋の幕内格行司、木村元基の感染を発表。
 ☆1・5 横綱・白鵬の感染が判明。宮城野部屋の力士にPCR検査を実施。
 ☆1・7 全協会員にPCR検査実施を決める。

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