歩夢 世界初!連続4回転 Xゲーム2度目V、平昌金イケる

[ 2018年1月30日 05:30 ]

Xゲームで優勝し祝福を受ける平野歩夢(AP)
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 スノーボードなどを独自のルールで行う冬季Xゲームのスノーボード男子スーパーパイプ(ハーフパイプ)が28日、米コロラド州アスペンで行われ、平昌五輪代表の平野歩夢(19=木下グループ)が99・00点で優勝した。3回の演技の最高点で争い、平野は最後の演技で史上初となる4回転の連続技に成功。16年オスロ大会に続く2度目の大会制覇を果たし、初の金メダルを狙う平昌五輪へ最高の形で弾みをつけた。

 肩を弾ませて何度も白い息を吐き出した。こん身の滑りを終えて得点を待つ。表示されたのは限りなく満点に近い99・00点。すでに優勝を競う力を持ちながら、平野が目指してきたのは「さらに圧倒的な滑り」。それがついに日の目を見た。

 「これを狙って、やろうと思って大会に来ていた。それがクリーンにできたし、初めて大会で決められたのが一番」。両手でボードを掲げて大歓声に応え、優勝の喜び、超高難度の構成を滑り切れた両方の喜びを語った。

 首位で迎えた3回目に一段ギアを上げた。2発目のジャンプで縦2回転横4回転の大技「フロントサイドダブルコーク1440」に成功。スムーズな着地からスピードを緩めず、反対側の壁へ。高々と飛び出して同じ4回転の「キャブダブルコーク1440」の連続技につなげた。これもぴたりと着地した。史上初の連続4回転成功。凄さをより際立たせたのは、その後も3回転半の連続技で締めくくったことだった。

 単発で3回転半、4回転を繰り出せる選手はいても、これだけ数珠つなぎにできるのは平野しかいない。現地テレビの実況も「地球上にこんなヤツはいなかった!」とあきれ返るほどだった。優勝した12月のW杯では失敗していた連続4回転。金メダルの鍵を握ると考えてきた大技を五輪までに完成させた。

 五輪2大会金メダルのショーン・ホワイト(31=米国)は今大会を急きょ欠場したが、そのホワイトが13日のW杯で100点満点をマークした演技も、難度で言えば上回った。プロ最高峰の舞台でスコット・ジェームズ(23=オーストラリア)やベン・ファーガソン(23=米国)らライバルたちをなぎ倒し、平野が五輪金メダルの最右翼に躍り出た。

 ◆平野歩夢(ひらの・あゆむ)

 ☆生まれとサイズ 1998年(平10)11月29日、新潟県村上市生まれの19歳。新潟・開志国際高を卒業して現在は日大1年生。1メートル60、50キロ。

 ☆スノーボード歴 4歳から始める。プロサーファーを目指していた父・英功さん(46)が地元で室内スケートボード場「日本海スケートパーク」を運営。3人兄弟の次男で幼い頃から横乗り系スポーツに親しむ。

 ☆戦績 14歳で出場した13年Xゲームで準優勝。同年8月にW杯初出場初優勝。14年ソチ五輪では銀メダルを獲得し、雪上競技の史上最年少表彰台(15歳74日)となった。16年にはXゲームのオスロ大会を制覇。

 ☆復活 昨年3月の大会で1440に失敗して激しく転倒。左膝内側側副じん帯損傷に加えて、腹部を強打して肝臓も痛めた。リハビリを経て12月のW杯で復活優勝。

 ☆スポンサー 契約企業は木下グループ(住宅販売)バートン(スノーボード)ナイキ(アパレル)モンスターエナジー(飲料)ゴープロ(カメラ)エレメント(スケートボード)IMG(マネジメント)。

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