暁斗2冠王手 W杯個人総合首位浮上、平昌金で目標達成

[ 2018年1月30日 05:30 ]

今季W杯4勝目をあげた渡部暁斗(中央)は2位リーベル、3位リースレらと記念撮影(AP)
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 オーストリア・ゼーフェルトで28日まで行われたノルディックスキー複合のW杯を兼ねた3連戦「トリプル」で、平昌五輪代表の渡部暁斗(29=北野建設)が3連勝した。自己最多タイのW杯シーズン4勝に早くも並び、悲願の五輪金メダルへ加速。もう一つの目標としていたW杯個人総合王座も、ランキングで首位に浮上し“2冠”が現実的になってきた。

 平昌五輪を前に大きな自信を手に入れた。渡部暁はノルディック複合のW杯でハイライトの一つといえる、3連戦の「トリプル」に完勝し、「(トリプルに)勝てたのは一つ大きいステップ」と余韻に浸った。

 3連戦の最後は得意のジャンプが2回となる上、前日の成績が得点に反映されるため、有利な状況ではあった。それでも、3連戦で最も長い15キロの後半距離で、2位との差はスタート時の48秒からゴール時には1分14秒9差に。日本の河野孝典ヘッドコーチも「最後までガス欠を起こすことなく上手に走った」と目を細めるレース運びだった。

 4年前の「トリプル」を3連勝したフレンツェル(ドイツ)は、直後のソチ五輪の個人ノーマルヒルで金メダルを獲得している。W杯4勝は11〜12年シーズンに並ぶ自己最多タイ。昨年11月の第3戦以来、W杯個人総合首位に返り咲いた渡部暁は「取り戻せたのは実力がついている証拠」と胸を張った。

 今季は2つのタイトル獲得を目標に掲げている。一つはW杯個人総合王者。過去6シーズンの個人総合は2位3回、3位3回とあと一歩届かなかった。今週、地元・白馬で開催されるW杯(2月3、4日)に連勝すれば、92〜93年の荻原健司の日本人最多年間勝利数「6」に並び、92〜93年から3季連続で総合優勝した荻原健以来の日本人王者誕生にも近づく。そして、もう一つは平昌五輪の金メダル。地元・白馬はさらに弾みをつけるには絶好の舞台となる。

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2018年1月30日のニュース