【平昌で輝け】ショートトラック坂爪亮介“王国”韓国挑戦で急成長

[ 2018年1月29日 11:30 ]

韓国に単身で乗り込み実力を伸ばした坂爪。2度目の五輪はリレーチームを引っ張る立場だ
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 ショートトラック男子ただ一人のソチ五輪戦士、坂爪亮介(27=タカショー)は「前回のはあって、ないようなもの。初出場の感覚です」と心弾ませる。4年前はシーズン序盤に右すねを骨折。ボルトやプレートを入れたまま強行出場したが、本来の滑りからはほど遠く、1000メートルも1500メートルもあっさり予選敗退。勝負した感触は残っていない。

 ケガが治ってからも伸び悩んだ。「環境を変えないと、ストレスを抱えきれない」。16年5月、つてをたどって単身、強豪国の韓国に乗り込んだ。ソウルの南に位置する城南市のチームで一日7時間以上の猛練習。レベルの高い韓国選手と競り合う。家賃6万5000円のアパートで自炊もしながら、スケート漬けの日々を送っている。昨季はW杯の代表を辞退してまで強国でのトレーニングに集中した。

 韓国での練習は「スケートの神髄を教えてくれる」と言う。ショートトラックはスピードだけでなく、駆け引きや対応力が求められる。単にスピードを上げる練習ではなく、出力、制御力をともに高める韓国流のメニューで実力を伸ばした。今や坂爪を追うように、多くの日本選手が韓国に拠点を移して練習している。

 男子5000メートルリレーは今季のW杯初戦で6季ぶりの銅メダルを獲得し、3大会ぶりの五輪出場枠も確保した。坂爪はリレーチームのキーマン。チームメートの渡辺啓太も「坂爪さんの存在が大きい。落ち着きや経験に助けられている」と頼りにする。

 「今回はしっかり準備ができている。メダルを持って帰りたい」。98年長野五輪男子500メートル西谷岳文の金メダル以来遠ざかっているショートトラック日本勢のメダルを“ホーム”の韓国で狙っている。

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2018年1月29日のニュース