松田、初マラソンV!東京五輪へ新星“なにわの腹筋女王”

[ 2018年1月29日 05:30 ]

大阪国際女子マラソン ( 2018年1月28日    ヤンマースタジアム長居発着 )

初マラソンを優勝で飾り、Vサインで笑顔の松田
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 初マラソン初優勝というド派手なデビューで東京五輪に名乗りを上げた。20年東京五輪の男女マラソン選考大会「グランドチャンピオンシップ(GC)」の選考会を兼ねて行われ、ロンドン世界選手権1万メートル代表の松田瑞生(22=ダイハツ)が2時間22分44秒で初優勝を飾った。すでにGC出場権を獲得している前田穂南(21=天満屋)が2時間23分48秒で2位。3位のロンドン世界選手権マラソン代表の安藤友香(23=スズキ浜松AC)もGC出場権を獲得した。

 浪速の“腹筋女王”が東京への挑戦権を手にした。主要初マラソンの記録では17年名古屋の安藤、03年大阪国際の坂本直子に次ぐ歴代3位の好タイムというおまけ付きだ。地元での応援を背にゴールテープを切った松田は林清司監督とがっちりと抱擁。「この声援の中で走れるのは最高やなー。ありがとうございました、イェーイ!」。曇り空を松田スマイルが吹き飛ばした。

 浪速路での優勝争いは、くしくも大阪薫英女学院高のOG対決となった。高校3年間、都大路では補欠だった前田が25キロ地点で飛び出し、レースを動かした。一方、高校ではエースとして、駅伝で活躍した先輩の松田は「何で早く出るんやろ、大丈夫かなと思っていた」と淡々とペースを刻んで追走。「後半強いのは自負していたので、冷静に追えた」と31キロ手前でかわすとその後は独り旅。注目を一身に浴びて気持ちよさそうに快走した。

 寒さが大の苦手だが、大一番に向けて家族もサポートに徹した。鍼灸(しんきゅう)師の母・明美さんが普段はレース2日前に行うというお灸を前日にもすえて、体温を上げることに努めた。スタート時の気温は5度と低く、林監督も「寒いとあまり良い結果がでない。5度とかで風が吹いたら怖いな」と警戒していたがホットクリームを全身に塗るなどの対策も奏功。不安を一掃し、20キロすぎには給水に失敗した安藤に自分のボトルを差し出す余裕すらあった。

 高校時代から練習後に私費でジム通いするほどの練習の虫。1日1000回の腹筋は欠かさずに行う。その積み重ねが勝負どころで生きた。「最後は腹筋に力を入れて前傾姿勢に戻せた。練習を頑張ったからこそ笑える。次はもっと笑えるようにもっと練習したい」。東京に向けて、まだまだ鍛えるつもりだ。

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2018年1月29日のニュース