北太樹が引退会見 土俵生活20年に「悔いはない。やりきった」

[ 2018年1月15日 14:00 ]

引退会見に臨む北太樹
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 13日に引退した元幕内・北太樹(35=山響部屋)の小野川親方が初場所2日目の15日、東京・両国国技館の記者クラブで引退会見を行った。1988年春場所の初土俵から約20年間に及んだ土俵生活を振り返り、「一番一番、真剣に全力で取り組んできた。充実した20年。悔いはない。やりきった」と感慨に浸った。

 左四つの鋭い寄りを武器に、2007年名古屋場所で新十両に昇進。08年秋場所で新入幕を果たした。最高位は東前頭2枚目で、幕内在位は38場所だった。最近は股関節の負傷に悩まされ、満足に稽古ができない状況が続いていた。初場所の出場を目指していたが、直前になって「体の限界を感じて」引退を決意した。

 入門時の師匠で、15年11月に亡くなった北の湖親方(元横綱)からは、しこ、すり足、てっぽうなど基本の大切さを叩き込まれ、土俵の外では温かい言葉をかけられたという。「先代には感謝しかない。たくさん教えていただいたので35歳まで相撲が取れたと思う。上半身は(現在の師匠の)山響親方に、下半身は北の湖親方に鍛えてもらった」と話した。

 現役時代の一番の思い出は、東前頭15枚目だった15年九州場所で、北の湖親方が亡くなった後の残り2番の相撲。「寂しいけれど頑張らなければいけない」と気力を振り絞って土俵に上がり、14日目に十両・正代に敗れて負け越しが決まったが、千秋楽で佐田の海を寄り切り、幕内残留を決めた。

 今後は山響部屋付きの親方として後進の指導に当たる。「稽古場から真面目に取り組む力士になるように伝えていきたい」。北の湖親方、山響親方(元幕内・巌雄)から教わったことを受け継ぎ、若い衆を育てていく考えだ。断髪式は6月3日を予定している。

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2018年1月15日のニュース