戸塚3戦全て表彰台 16歳新星“ガチンコ勝負”でも3位

[ 2018年1月15日 05:30 ]

スノーボードW杯ハーフパイプ決勝 ( 2018年1月13日    米コロラド州スノーマス )

男子ハーフパイプで3位となり、表彰式で笑顔を見せる戸塚優斗
Photo By 共同

 男子で今季W杯にデビューした戸塚優斗(16=ヨネックス)が金メダル級の実力を示した。94・50点で3位に入り、出場した3大会全てで表彰台に上がった。強豪ぞろいの中で結果を出し、平昌五輪のメダル候補に名乗りを上げた。五輪2大会連続金メダリストのショーン・ホワイト(31=米国)が満点の100・00点で優勝。安藤南位登(20=尾瀬ク)は7位だった。3人が決勝に進んだ日本女子は大江光(22=バートン)の5位が最高だった。

 ティーンエージャーの成長力はダテじゃない。ホワイトや世界選手権2連覇中のジェームズ(オーストラリア)と肩を並べて表彰台に上がった戸塚は「ショーン(ホワイト)は昔から憧れだった。自信になる」とあどけない笑顔で語った。

 2回目を終えて88・50点でトップに立ち、ジェームズに抜かれて迎えた3回目はさらに難度を上げた。演技の最後に大技「ダブルコーク1440(縦2回転横4回転)」を繰り出し、実戦で初めて成功させた。トップには届かなかったが「ずっと立ちたいと思っていたので本当にうれしい」。練習で初めてトライしてから半年足らずで、ここ一番で使えるまでに練り上げてきた。

 五輪を強く意識したのは、ソチ五輪での平野歩夢と平岡卓のメダル獲得がきっかけだった。昨年の全日本選手権Vでナショナルチーム入りし、その先輩たちと一緒に滑る機会を得たことも急成長を後押しした。海外合宿ではハーフパイプだけでなく、障害物なども一緒に滑った。帰国したときは板はボロボロ。これまでは手すりやレールを滑って傷つくのを嫌がっていたというだけに周囲の人間は驚いたという。「まねしたいところがいっぱいある。いい経験、刺激になる」と改めてスノーボードの楽しさに目覚めた。

 表彰式の最中にはホワイトに肩を抱かれて話し掛けられた。今大会は米国代表選考会を兼ねたガチンコ勝負。その中で海外のトップ選手と互角に渡り合ったことは五輪でも大きな意味を持つ。憧れだった存在は徐々に競い合うライバルに。自らの成長も自覚する16歳は「本番では抜かしたい」と1カ月後の大舞台を見据えた。

 ◆戸塚 優斗(とつか・ゆうと)2001年(平13)9月27日、神奈川県横浜市出身の16歳。神奈川・光明学園相模原高在学中。母親の影響で2歳からスノーボードを始める。小2からハーフパイプに取り組み、カムイみさか(山梨)などで練習を重ねる。小5でプロ資格を取得し、16、17年に全日本ジュニア優勝。17年3月の全日本選手権も制し、同9月のW杯で初出場初優勝。好物は「スシロー」のえんがわだが、W杯優勝のお祝いで少し高級な回転寿司に出掛けたら脂が多くて食べられなかったとか。1メートル69、63キロ。

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2018年1月15日のニュース