目黒学院“エディー+帝京流=1勝”古豪完全復活へ初戦突破

[ 2017年12月31日 05:30 ]

第97回全国高校ラグビー第3日   目黒学院26―20長崎南山 ( 2017年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<目黒学院・長崎南山>前半12分、長崎南山・大沢(下)をはね飛ばし、トライを決める目黒学院のハラシリ・シオネ  
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 2回戦16試合が行われ、4年ぶり出場のBシード目黒学院(東京第1)は長崎南山(長崎)を26―20で破り、1月1日の3回戦に駒を進めた。3トライを奪ったトンガ人留学生のNo・8ハラシリ・シオネ(3年)ら多士済々の同校だが、全国大学選手権8連覇中の帝京大と日本代表前ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏の手法を取り入れてチーム力をアップ。昭和40〜50年代にかけて全国5度制覇の古豪が完全復活へ踏み出した。

 攻守ともに激しく前に出てくる長崎南山にてこずりながらも初戦突破。最後まで気を抜けない展開だったが、昨年11月に就任して花園初采配初勝利を挙げた竹内圭介監督は「ホッとしています。タイトな試合は想定していた。選手も硬さも取れるのでは」と落ち着いた口調で振り返った。

 ハラシリがパワフルな突進を生かして3トライを奪った前半は21―8で折り返し。風上の後半はWTBエドバー(3年)のキック力を生かしてエリアを取っていく作戦だったが、「後半になって風向きが変わった」(FB高橋主将、3年)というまさかの展開。2トライを奪われ1点差に迫られたが、同27分にプロップ岩上(2年)が再び6点差に広げるトライ。追い上げを振り切った。

 多国籍軍団を引っ張る主将の高橋は心を砕いてチームづくりをしてきた。日本人、ハーフ、留学生にも派閥をつくらせず、休日は留学生も誘ってカラオケに興じる。1年時に厳しい上下関係に苦しんだ経験から、「自分たちが上級生になったら学年の壁をなくそう」と決断。今年度は雑務を3年生中心でこなし、下級生は手伝う側に回る。大学王者の帝京大と同じシステムを取り入れ、1年生SH前川も「先輩たちに支えられている」と感謝した。

 7月にはNHKの企画でジョーンズ氏の指導を受け、試合中のコミュニケーションの重要性を再確認した。今年10月の関西遠征の際には、過去3年間出場が途絶えて誰も経験がなかった花園を視察。同氏が15年W杯イングランド大会前に取り入れたのと同じ準備方法も大舞台で奏功した。

 前日が41歳の誕生日だった竹内監督は「花園1勝目をプレゼントしてもらいました」と選手に感謝。2勝目、3勝目と積み重ね、目黒の新黄金時代を築く。

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