高木姉妹“念願”同時五輪!菜那5000m2位、個人種目でも切符

[ 2017年12月31日 05:30 ]

スピードスケート平昌五輪代表選考競技会最終日 ( 2017年12月30日    長野市・エムウエーブ )

平昌五輪の代表に選ばれ、笑顔を見せる妹の高木美(右)と姉の高木菜
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 高木姉妹が悲願の五輪同時出場だ。日本スケート連盟は30日、スピードスケートの平昌五輪代表として、高木美帆(23=日体大助手)、高木菜那(25=日本電産サンキョー)ら男女計16人を発表した。今季のW杯団体追い抜きで世界記録を3度も更新した“最速姉妹”が日の丸を背負い夢舞台でも旋風を巻き起こす。

 女子最後の個人種目となった5000メートル。W杯での活躍から団体追い抜きでの代表入りが確実だった高木菜が2位に食い込み、最後の1枠に滑り込んだ。姉妹で初めて同時に出場を決めると、姉・菜那はさっそく日の丸を背負う覚悟を口にした。

 「前回まで2人とも結果を出して帰ってこられなかったから、今度は2人で結果を残して帰ってこられるようにしたい」

 10年バンクーバー五輪は妹・美帆が出場。“スーパー中学生”として騒がれたが、五輪本番の1000メートルは35位の最下位。1500メートルは23位で現実を思い知らされた。2歳上の菜那は当時、帯広南商高2年。現地まで応援に行ったが、惨敗する妹を見て、世界の実力を初めて目の当たりにした。

 菜那にとって美帆への「嫉妬」が原動力だ。幼少期から運動神経が抜群だった妹は小学6年で、陸上女子800メートルでの十勝地区小学生記録を樹立。中3まで続けたサッカーでも男子からレギュラーを勝ち取ったほどだった。菜那は1メートル64の美帆より9センチ低く、2歳下でありながら常に先を行く妹への対抗心で努力を続け、美帆が逃した代表の座を4年前のソチ五輪で射止めた。

 五輪では1500メートルが32位、団体追い抜きは4位だったが、さらなる高みを見据えて充実した4年間を過ごすと、今季は団体追い抜きで妹と“共演”し3度も世界記録を更新。2人は大きく生まれ変わった。今大会中は毎晩のように姉妹で食事に出掛け、励まし合った。力を合わせることでハードルを乗り越えてきた高木姉妹。その力はきっと輝くメダルへと変わる。

 【主なきょうだいでの冬季五輪出場】

 ☆宮部兄弟 92年アルベールビル五輪スピードスケートに出場し、弟の行範が1000メートルで銅。兄の保範は500メートルで5位。

 ☆成田童夢、今井メロきょうだい 06年トリノ五輪スノーボードのハーフパイプで兄・童夢が35位、妹・メロは34位でいずれも予選敗退。

 ☆渡部兄弟 14年ソチ五輪ノルディックスキー複合の個人ノーマルヒルで兄・暁斗が銀。弟・善斗は兄とともに出場した団体で5位。

 ☆菊池姉妹 14年ソチ五輪で次女・彩花がスピードスケート1500メートルで31位、四女・萌水はショートトラック3000メートルリレー補欠メンバー。

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