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イチローとも相通じる「空のF1」エアレース王者の思考法

「空のF1」と呼ばれるレッドブル・エアレースでアジア人初の年間総合優勝を果たし、トロフィーを手に凱旋会見に臨んだ室屋義秀
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 どんな状況下でも冷静沈着に、自分の操縦だけに集中する。それが「空のF1」と呼ばれるプロペラ機による3次元レース、レッドブル・エアレースでアジア人初の年間総合王者になった室屋義秀(44)のメンタルタフネスではないだろうか。

 およそ4カ月前、シリーズ第3戦の千葉大会。大会2連覇を果たした室屋の発した言葉は、実に興味深かった。レース最終日。ラウンド・オブ14、ラウンド・オブ8、ファイナル4と徐々に人数を絞っていく決勝ラウンドで、自身のフライトを控える室屋にマイクが向くと、毎回決まって「しっかり自分のフライトに集中するだけ」とのニュアンスの言葉を発した。

 レースは他者との争いでありながら、1機単独で飛んでタイムを争う。カーレースのように抜きつ抜かれつがない代わりに、見えない対戦相手の影を意識しながらの飛行となる。もちろんアクセルを全開にすれば良いというわけではなく、パイロンと呼ばれるゲートを決められた角度で通過できなければペナルティータイムが科され、重力加速度が10Gを一定時間超えれば、その時点で失格となる。攻撃的に飛べば失格やペナルティーの恐れは高まり、かと言って消極的ではタイムが伸びない。究極的には己との闘いだからこそ、一見物足りなく感じる室屋の発言に行き着くのだろう。

 逆転での年間総合王者を決めた10月14、15日の最終第8戦のインディアナポリス大会もまた、室屋らしさが詰まっていた。予選はタイムが伸びずに11位。この結果、ラウンド・オブ14ではポイントリーダーだったマルティン・ソンカ(チェコ)との直接対決になった。先に飛んだ室屋にはペナルティータイム2秒が加算されたが、それでも風向きなどが荒れている状況を鑑み「(ペナルティーをもらって)1分6秒台ならチャンスはある」と思っていたという。予想通りにソンカも室屋よりも加算秒数の多いペナルティーを食らい、直接対決に勝利。最後のファイナル4ではトラックレコードを叩き出して、ぶっちぎりの今季4勝目、そして逆転総合優勝だった。

 かつてイチローがメジャーリーグで首位打者争いを繰り広げていた頃、自分がコントロールできることだけに集中することの大切さを説いていた。コントロールできない他人のことは気にせず、コントロールできることに集中する。世界一を究めた室屋の思考法がイチローと相通じるのは、決して偶然ではないはずだ。(阿部 令)

[ 2017年10月22日 11:02 ]

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