上田桃子V 熊本での教訓生かす 前夜に“祝福”されても気を緩めず

[ 2017年10月22日 11:10 ]

女子ゴルフツアー NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日 ( 2017年10月22日    兵庫県三木市 マスターズGC(6507ヤード、パー72) )

<マスターズGCレディース 最終日>笑顔で優勝杯を手にする上田桃子
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 女子ゴルフツアー「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」は22日、兵庫県三木市のマスターズGC(6507ヤード、パー72)で最終ラウンドを行う予定だったが、台風接近により天候回復が見込めないため、また安全面を考慮して中止。大会は54ホールに短縮され、第3ラウンド終了時点が最終成績となり、上田桃子(31=かんぽ生命)が通算11アンダーで今季2勝目、日米通算13勝目を挙げた。

 中止がクラブハウスで待機中に中止のアナウンスを聞いた上田は「どんな形で優勝したいと思っていたので、やっぱりうれしい」と顔をほころばせた。

 前日の最終18番でバーディーを奪い、単独首位でホールアウトした時、畑岡奈紗のバッグをかつぐ小俣キャディーに「おめでとう。良かったな」と声をかけられた。その後も選手や関係者、夕食を取りに入った店でも祝福の言葉をもらった。

 しかし「熊本のこともあるから最後まで何があるか分からないと思っていた」。4月に地元熊本で開催されたKKT杯バンテリン・レディース最終日。上田は17番まで首位を守ったが、18番のボギーで西山ゆかりに並ばれプレーオフでは池に打ち込んで敗戦。その時の教訓から気を緩めることはなかった。

 試合が行われるのか。中止になるのか。他の選手がざわついている時、頭に浮かんだのはクラブハウスに飾っている王貞治氏の色紙。上田が師事した元巨人コーチの故荒川博氏が育てた王氏は「気力」と記していた。初日に色紙を目にした上田は「最後はやっぱり気力しかない」と覚悟を決めて決定を待った。

 5月の中京テレビ・ブリヂストン・レディース以来の今季2勝目。賞金ランキングは6位に浮上した。開幕前に決めた目標が海外メジャーANAインスピレーション(来年3月、米カリフォルニア州)出場。「(男子の)マスターズみたいなお祭り。(優勝者が)池にダイビングするなんて日本にはない」という憧れの舞台。今年は昨季日本ツアー賞金ランキング上位2人に出場資格が与えられており来年も同様の資格になる見込み。その目標達成に一歩近づいた。

 次戦はスポニチ主催TOTOジャパンクラシック(11月3日開幕、茨城・太平洋クラブ美野里コース)。コースは違うが過去2勝と験の良い大会。「勝てば必然的に(ANAインスピレーションに)出られる。調子もいいしチャンスはある。1週間の休みで調子を落とさないように気をつけたい」と力を込めた。

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2017年10月22日のニュース