宇野 羽生とわずか2・28点差「ユヅ君に勝てる実力つけたい」

[ 2017年4月2日 05:40 ]

フィギュアスケート世界選手権最終日 ( 2017年4月1日    フィンランド・ヘルシンキ )

気迫の表情で滑る宇野昌磨
Photo By スポニチ

 最終組5番滑走の宇野は先に滑った羽生の世界歴代最高の演技をテレビで見ていた。「うまい選手の演技は見たいじゃないですか。自分は自分と考えているので影響はなかった。逆に絶対勝てないと確信しました」。プレッシャーでミスする選手が続く中、宇野だけは違った。

 自然体のままリンクに立つと、冒頭でループ、フリップの高難度の4回転ジャンプを決めた。続く3回転ルッツの着氷が乱れたものの、タンゴの力強いリズムに乗って後半の4回転トーループ2つも確実に降りた。2月の四大陸選手権に続いて4回転ジャンプ4つに成功し、フリーの自己ベストを18・76点も一気に更新。舌をペロリと出して照れくさそうに左拳でガッツポーズをつくった。合計319・31は羽生とわずか2・28点差の2位。世界歴代(自己ベスト比較)でも羽生(330・43、15年GPファイナル)に次ぐ堂々の2位だった。

 「(出来は)100点ではないですが、今できる100%は出せた。昨年の涙から笑顔になれたのがうれしかったです」

 初出場だった昨年の世界選手権ではSP4位につけたものの、フリーで弱気から4回転ジャンプ2つをミス。7位に沈んで悔し泣きした。今季は「攻める」がテーマ。昨年4月に世界で初めて4回転フリップに成功して新たな武器とすると、4回転ループにも挑戦し、年明けからプログラムに取り入れてきた。

 練習ではジャンプの調子に波があるが、自信を積み上げてきた今は以前のように一喜一憂しない。「練習でできなくても集中すれば跳べる。思い込みを今年は採用している」。幼い顔立ちと物腰の柔らかさから想像しがたい大胆さが魅力だ。

 ルッツのミスがなければ羽生に勝つチャンスもあった。「練習のモチベーションはユヅ君に勝てる実力をつけたいという思い。その気持ちは変えません」。日本のNo・2は世界のNo・2になった。その先は一つ。世界の頂点しかない。

続きを表示

2017年4月2日のニュース