【岡崎真の目】羽生 平昌へのポテンシャル まだ伸ばせる表現力

[ 2017年4月2日 07:44 ]

フィギュアスケート世界選手権最終日 ( 2017年4月1日    フィンランド・ヘルシンキ )

演技を終えこぶしを握る羽生結弦
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 羽生の演技は本当に素晴らしかった。冒頭の4回転ループ、今季フリーで成功がなかった演技後半の4回転サルコーのコンビネーションを含め、全てのジャンプを安心して見ていられた。

 技術点はもちろんだが演技点も「要素のつなぎ」の項目がチャンと同点(9・46点)以外はライバルを圧倒。ただ、表現に関してはまだ伸ばせるのではと、個人的には感じた。演技点に10点満点をずらりと並べるのも、羽生なら可能性がある。

 宇野はSPで羽生をリードしていたこともあったがフリーで細かなミスがありながら総合で2・28点差で収めたところに進化を感じた。ミスがあった中で演技点に10点をつけるジャッジもいたことが、プログラムの完成度の高さの何よりの証拠だと思う。

 ソチ五輪のシーズンは、直前のGPファイナルで羽生が当時絶対王者だったチャンを破り、勢力図を一変させた。平昌五輪に向けても、海外勢でそういう選手が台頭してくるかもしれない。だが、高難度ジャンプへのチャレンジなど歩みを止めない羽生と宇野は、間違いなく五輪本番でも金メダル争いを繰り広げるだろう。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2017年4月2日のニュース