【岡崎真の目】浅田真央 平昌五輪まだ間に合う 年齢的な衰えではない

[ 2016年12月26日 07:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権最終日 ( 2016年12月25日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

<フィギュア全日本選手権>ジャンプで転倒する浅田
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 SPでは高く跳ぼうとして回転動作が緩慢になってしまった浅田のトリプルアクセルだが、この日は回転動作に意識がいき、踏み切りで伸び上がる力が不足した。結果的に左右のバランスを崩し、滞空時間が足りなくなった。

 故障の影響もあるのだろうが、気になるのは全体的にシャープさを欠いているところだ。ジャンプやスピンの回転が遅く見えるのは、筋肉や神経の反応速度が遅くなっているから。ただし、これは年齢的な衰えではないと思う。なぜなら、ステップでは一転してシャープな動きを見せているからだ。直前の6分間練習もそうだが、練習の中でスピーディーに動く内容が足りないのかも知れない。得点、順位ともに浅田にとっては最悪かもしれないが、来季の五輪を考えると間に合う可能性は十分ある。5項目の演技点では宮原に次ぐ得点をマークしており、存在感はまだまだ一線級だからだ。

 SPでは圧巻の演技だった宮原だが、ジャンプに細かいミスがあったように、フリーはさすがに緊張感があった。それでも140点に近く、得点の下限は高まっている印象だ。こういう「勝って当然」の試合を何度も経験することで、さらに女王の貫禄がついてくると思う。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2016年12月26日のニュース