若い世代が台頭した女子フィギュア界 浅田、安藤が現れた10数年前に似た状況

[ 2016年12月26日 12:59 ]

<フィギュア全日本選手権> 優勝した宮原(中)、2位の樋口(左)、3位の三原は笑顔で記念撮影
Photo By スポニチ

 フィギュアスケートの全日本選手権(大阪・門真市)が25日に終わり、来春の世界選手権(3月29日開幕、ヘルシンキ)日本代表が決まった。男子は田中刑事(倉敷芸術科学大)が初出場だが、羽生結弦(ANA)と宇野昌磨(中京大)は順当に代表入りし、ほぼシーズン開幕前に予想された布陣。一方の女子は全日本選手権3連覇の宮原知子(関大)に加えて、シニア1年目の15歳の樋口新葉(日本橋女学館高)と17歳の三原舞依(神戸ポートアイランドク)が入るフレッシュな顔ぶれ。昨年まで代表最年少だった18歳の宮原が一気に最年長選手となる若いメンバー構成となった。

 今回の全日本選手権では不調の浅田真央が12位に沈んだ一方で、上位7人の中にシニア1年目が2人(2位樋口、3位三原)、ジュニアの選手が3人(4位本田真凜、6位白岩優奈、7位坂本花織)入るなど若い世代の台頭が著しかった。

 彼女たちは皆、数年前まで女子では高度な技と言われた2連続3回転ジャンプを軽々と跳ぶ。樋口はフリーでルッツ−トーループの2連続3回転ジャンプを2つ決めた。フリーでルッツ−トーループの2連続3回転などジャンプをミスなく跳んだ三原の技術点は優勝した宮原よりも3点以上高かった。ジャンプで点数を稼げる選手たちなのだ。

 10月のスケートアメリカで三原が3位になった時、同じ大会に出場していた浅田真央は「日本もたくさん若い選手が出てきている。自分が若い時、出てきたのと同じように今たくさん出てきている」としみじみと語っていた。近年の日本女子フィギュア界は10数年前、浅田や安藤美姫が出てきた頃と少し似てきている。当時、浅田はトルプルアクセル(3回転半ジャンプ)、安藤は4回転サルコーと、それぞれ高難度のジャンプを武器にして、一気に先輩たちを追い越していった。そして、国内にとどまらず、世界の頂点まで駆け上がった。

 まずは樋口と三原が来春の世界選手権に挑む。来季になれば本田真凜らのジュニア勢もシニアに参戦する可能性が高く、続々と世界に飛び出していくだろう。もちろん世界のレベルも上がっており、2連続3回転ジャンプが跳べるだけでは勝負にはならない。シニア1年目でどこまで通用するのか。15歳でGPファイナルを制した浅田のような選手が出てくるのか。今後の日本女子は楽しみが多い。(柳田 博)

続きを表示

2016年12月26日のニュース