遠藤 大関3連破!大ケガから復活、三役獲りに金星も狙う

[ 2016年11月17日 05:30 ]

大相撲九州場所4日目 ( 2016年11月16日    福岡国際センター )

<九州場所3日目>遠藤は、はたきこみで琴奨菊を破る

 人気力士の遠藤が琴奨菊をはたき込み、2日目から続く大関戦で3連勝を飾った。今場所と同じ3勝1敗で迎えた昨年春場所、序盤戦最後の日に左膝を大ケガ。新三役を狙う苦労人は5日目の日馬富士戦で復活の金星を狙う。4日目を終え、白鵬、鶴竜、豪栄道、蒼国来の4人が勝ちっ放しとなった。 

 馬力自慢の大関の当たりを、まともに受けてもびくともしなかった。遠藤は琴奨菊よりも低い姿勢で立ち、脇を締めて左でおっつけ。その瞬間「体が自然と動くと思った」と勝機を読み取った。立ち合いから1秒2。右に体を開くとたちまち相手のバランスが崩れ、土俵上にはわせた。

 昨年春場所に左膝の前十字じん帯と半月板を損傷。その後、右足首も負傷した。長らくケガに苦しんできた26歳は現在の状態を「6か7割」と言うが、それでも3日連続で大関撃破。しかも全て完勝だ。「歯がゆい気持ちはあったが、少しずついい方向に向いている」。悲願の三役昇進へ、手応えを実感している。

 先場所は平幕下位で13勝を挙げたが、それで納得するような男ではない。「やっぱりごまかしている部分が多いのでクリアにしたい」と求めるのは常に完璧の状態。巡業ではトレーナーを宿舎に呼び、入念な患部のマッサージに時間を割いた。場所後の休みを返上して治療を行うこともある。今一番欲しいものは「白星」と即答。「趣味をやる時間があるならリハビリや治療をする」と相撲一筋の生活を送っている。

 師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)も「調子はいい。場所前も20番ほど相撲を取れていた」と説明。だが遠藤は「まだ4日目」と自らをいさめた。なぜなら、西前頭5枚目で迎えた昨年春場所、3勝1敗で迎えた5日目に左膝を大ケガした苦い経験があるからだ。

 その時と同じ勝敗で迎えるきょう5日目の相手は今場所初の横綱戦となる日馬富士。勝てば豪栄道の綱獲りを脅かす存在として一躍注目を浴びることは間違いない。遠藤は「頑張ります」と短い言葉に力を込めた。1年8カ月前の序盤戦最後の日は車いすで花道を引き揚げた。悪夢を払しょくするには最高の舞台が整った。

 ▽遠藤の昨年九州場所 西前頭4枚目。初日の阿夢露戦から3連敗。4日目に隠岐の海に勝って初日。しかし最後までリズムに乗れず、横綱・大関戦はなかったが4勝11敗と大きく負け越した

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