前九重親方の通夜営まれる 次女の梢「こんなにも愛されていると実感」

[ 2016年8月6日 18:25 ]

先代九重親方の通夜で、遺影が飾られた祭壇

 大相撲の元横綱千代の富士で、7月31日にすい臓がんのために61歳で死去した先代九重親方=本名秋元貢、北海道福島町出身=の通夜が6日、東京都墨田区の九重部屋で営まれ、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)ら約2千人が故人をしのんだ。

 部屋の稽古場に祭壇が設けられ、スーツ姿の遺影だった。3日付で年寄「九重」を襲名し、部屋を継承した九重親方(元大関千代大海)は「OBや弟子たちはみんな『師匠』と呼びながら、いない時は『おやじ』と言っていた。悲しいし、悔しい」と声を落とした。

 先代親方の次女でモデルの梢は「こんなにも父が愛されていると実感した。なかなか(家族)5人の時間がなかったけど、みんなでみとることができた」と涙ながらに話した。同じ北海道出身で歌手の松山千春は「こんなに早く逝くとは。立ち上がって来いと声を掛けた」と神妙な面持ちだった。

 戒名には家族の名前が入り「千久院殿金剛貢力優梢禅大居士」。7日に部屋で葬儀・告別式が執り行われ、10月1日には「お別れの会」が東京・両国国技館で開かれる。

 「ウルフ」の愛称で人気だった先代九重親方は史上3位の優勝31度を果たし、同2位の通算1045勝を挙げるなど数々の記録を残した。1989年には国民栄誉賞を受賞した。

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2016年8月6日のニュース