近藤亜美 21歳いざ最年少金 アテネ塚田の22歳超え“狙う”

[ 2016年8月6日 05:30 ]

熱のこもった練習を行う近藤(左)

 恐いもの知らずの21歳が“ヤワラ超え”に挑む。柔道の日本代表は4日、リオ市内で練習を公開。先陣を切る女子48キロ級の近藤亜美(21=三井住友海上)は、谷亮子ら歴代女子金メダリストの記録を塗り替える日本女子最年少での金メダル獲得を誓った。男子60キロ級では3年前にリオでの世界選手権を制した高藤直寿(23=パーク24)が登場。日本男子2大会ぶりの金メダル獲得に挑む。

 日本女子の看板階級を背負う責任、金メダルを期待される柔道の宿命も感じている。「柔道の名に恥じないように金メダルを獲りたい」。それでも重苦しくはならないのが近藤の特権だ。

 「選手村の設備が凄い。何でも食べられるし、好きなコーラもたくさん置いてあった。やっぱり五輪だなって」。気迫のこもった声は普段より幾分か低いトーンだったが、食い気で祭典の雰囲気を感じて笑顔を見せた。

 食事の話が出たのは減量の影響もあるはずだ。ウエートトレーニングに取り組んだ成果で「筋肉をつけて代謝が良くなった」。おかげで体重が落ちやすくはなったが、初戦で敗れた2月のグランドスラム・パリ大会では落ちすぎてしまったという。今回は一度リミットまで持っていき、戻した後にまた減らすという方法を取った。試行錯誤してきたが「調整はしっかりできている。あとはやるだけ」と気合を込めた。

 21歳での金奪取となれば日本女子では最年少記録を更新する。これまでの記録は04年アテネ五輪78キロ超級を制した塚田真希の22歳。「そんなに最年少で取れるチャンスも巡ってこない。せっかく巡ってきたなら挑戦しようと。名前も残る」。谷亮子らそうそうたる顔ぶれを上回る記録となれば大きなモチベーション材料だ。

 4日に組み合わせ抽選が行われ、順当なら2回戦でトルコのロクマンヘキムと対戦することが決まった。昨年のマスターズで敗れた相手で、初戦から気の抜けない組み合わせ。それでも近藤には目指す理想がある。「柔道はポイントでわかりにくい部分がある。これが一本と分かるダイナミックな柔道をしたい」。“魅せる柔道”で最年少女王になる。その目は自分の可能性を信じていた。

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2016年8月6日のニュース