照ノ富士、初ストレート給金!多彩取り口で白鵬不在場所盛り上げる

[ 2015年9月21日 05:30 ]

妙義龍(右)を小手投げで破った照ノ富士

大相撲秋場所8日目

(9月20日 両国国技館)
 大関・照ノ富士が関脇・妙義龍を小手投げで下し、初日からただ一人の8連勝で勝ち越しを決めた。2場所ぶり2度目の優勝に向けて、勝ち星を順調に伸ばしている。横綱・鶴竜、大関・稀勢の里、平幕・勢の3人が1敗で全勝の照ノ富士を追っている。

 異次元のパワーだ。照ノ富士は鋭い立ち合いの妙義龍に懐に入られ、深いもろ差しを許して上体を起こされた。圧倒的に不利な体勢だ。それでも「頭にあったんで、あんまり焦りはなかった」。両側から抱え込むと、強引につり上げて振った。体を入れ替えるとさらに出た。それでも食い下がる妙義龍を、最後は左の小手投げで土俵の外へと出した。

 今場所は多彩な取り口が光る。「どんな体勢でも相撲を取れる意識があるんで、焦ることはないです」。巻き替えのうまさを見せる時もあれば、力でねじ伏せることもある。先場所、得意の右四つの型にこだわりすぎた反省で、流れの中で対応するように意識を変えたことが好調の要因だ。

 初日から8連勝は自身初になる。大関のストレート給金は昨年名古屋の琴奨菊以来。白鵬ですら大関時代(7場所)は一度しかない。前半で取りこぼしをしないことが優勝に近づく大きな鍵。決して簡単なことではないが、大関2場所目でクリアした。

 白鵬と日馬富士の2横綱が不在の中、その存在感はもはや横綱級だ。朝、稽古場で顔を合わせる兄弟子の日馬富士はアイコンタクトだけで激励。「(照ノ富士には)何も言うことはありませんよ」とその強さを認めるほどだ。

 照ノ富士は国技館入りする前にラグビー日本代表の大金星の録画放送を見た。劇的なエンディングに「凄かった。みんな泣いてたね」と感動しつつ「でも(ラグビー選手より)お相撲さんの方が強いよ」と言った。たとえラガーマンのタックルにも倒されない。誰にも負けない。子供のような対抗心は今の照ノ富士の自信の大きさを表している。

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