合宿地スタッフ涙 エディーHCという人「選手には宮崎牛、僕はこれがあればいい」

[ 2015年9月21日 08:00 ]

ラグビーW杯1次リーグB組 日本34―32南アフリカ

(9月19日 英国南部ブライトン)
 ラグビーW杯初戦で強豪南アフリカを撃破し、大金星を挙げた日本代表。チームが直前まで合宿をしていた宮崎県や、4年後の日本開催W杯の会場となる岩手県釜石市でも、関係者が大喜びだ。また日本の歴史的勝利は世界にも瞬時に伝わり、あの「ハリポタ」原作者をも驚かせた。

 日本代表は4月から5カ月間、宮崎県宮崎市のシェラトン・グランデ・オーシャンリゾートに拠点を置き、強化合宿を行った。選手やスタッフの食事の世話などをした県ラグビー協会顧問の山口雅博さん(64)は「うれしすぎて、勝利の瞬間からしばらく涙が止まらなかった」と興奮。試合後の午前3時には、日本代表の大村武則マネジャー(50)から電話があったといい、「おかげさまで勝てたと言ってくれた」と声を震わせた。

 合宿中は、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)らと近くの居酒屋でよく食事をした。ジョーンズHCは「選手には、おいしい宮崎牛を出してあげてね。僕は、ワインとマサ(山口さん)が釣ってきたアジがあればいいから」と話し、アジの刺し身をつまみ、地元産の都農(つの)ワインを好んで飲んでいたという。宮崎を出発する際はガッチリと握手。「“約束は守る”と言っていた。必ず8強入りしてくれるはず」と力を込めた。

 「練習では、厳しい姿勢を見せていたジョーンズHCだけど、本当は優しい人」と話すのは、県ラグビー協会の宮永泰宏理事長(55)。練習後、どんなに疲れていても、選手とともにファンの記念写真やサインには必ず応じていた。「指揮官の人間的な素晴らしさがチームに浸透したからこその勝利。この勢いでぜひ目標の8強入りを」とエールを送った。

 6月には、日本代表コーチ陣が県内のラグビー指導者を対象にした講習会を開催。小中高生や社会人チームを指導する監督、コーチら約60人が参加。その一人の日南少年ラグビースクールの長友崇コーチ(42)は「ジョーンズさんに選手を褒め、基礎をしっかり教えるようアドバイスをもらった。子供たちも目標にしている大会で勝ち続けてほしい」と話した。

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2015年9月21日のニュース