松山、単独首位!18番スーパーイーグルに世界の青木も「鳥肌」

[ 2014年11月22日 05:30 ]

11番、バーディーを決め、J・スピース(右)の前でガッツポーズをする松山

男子ゴルフツアー ダンロップ・フェニックス第2日

(11月21日 宮崎県宮崎市 フェニックス・カントリークラブ=7027ヤード、パー71)
 やっぱり怪物は強かった。11位から出た松山英樹(22=LEXUS)は最終18番のスーパーショットで劇的なイーグルを決めるなど1イーグル、6バーディー、1ボギーの64をマークし、通算10アンダーの132で首位に浮上した。米国の新鋭ジョーダン・スピース(21)も64 で回り、1打差の2位につけた。米ツアーでしのぎを削る2人の若手が、リーダーボードの上位を彩った。
【第2R成績】

 72歳のレジェンドも身震いしたほどの一打だった。最終18番パー5。松山は今大会から投入した新1Wで320ヤード先のフェアウエーに置くと、残り240ヤードから4Iを握った。上空に突き抜ける高い球はピン手前5メートルに落ちてフックラインを描き、ピンそば20センチのスーパーショット。テレビ解説を務めた青木功は「鳥肌が立った」と声を上げた。スーパーイーグルで単独首位に浮上した22歳は「なんだか知らないけど自分が上にいるなという感じです」と笑った。

 フェニックスの女神が味方に付いた。1Wを大きく右へ曲げた14番。「1打のペナルティー」を覚悟せざるを得ないほど木々が密集する林の中へ打ち込んだが、なんと木に当たってコース側に転がり出てきた。残り160ヤード以上ある深いラフから豪快なスイングでピンの根元を刺し、1メートルにつけてバーディー。細く粘り気のある洋芝がクラブヘッドに絡みつき距離感を合わせにくい中、米ツアーを主戦場とする松山はものともしなかった。

 10番を終え、同組の藤本が左肩痛で棄権。スピースとの“一騎打ち”は白熱した。11番で松山が7メートルを沈め、スピースは2メートルを入れ返す。残り8ホールで互いにスコアを5つ伸ばした。松山は大会前に不調だったショットがピンに絡んでパットとかみ合い、狙い通りのプレー。「ショットの状態が上がってきて心にゆとりができている」と抜群の相乗効果だ。そして「あしたも一緒かな」と話していた18番で2人そろってイーグル。ライバル対決は第3ラウンドも続くことになり、スピースからは「タフな相手になることは間違いない」と“賛辞”を贈られた。

 この日は初来日のスピースと夕食を共にする予定だったが、相手は体調不良で前夜は38度の発熱。一時的に医師がホテルの部屋まで駆けつけるまで悪化した。「あした(22日)宮崎市内に行こう」と延期を告げられた松山も「ジョーダンは体調が悪いみたい。だけどスコアをまとめてくるのはさすが」と気遣った。

 とはいえ「感心ばかりしていると負けると思うので、自分も相手に感心されるくらいのいいプレーがしたい」と負けず嫌いに火がついているのは事実。今年で41回目を迎える大会も過去に日本勢は6人しか優勝していないが「今はこの大会で優勝することしか考えていない」と頼もしい。今季国内2戦目は用具契約を結ぶダンロップスポーツの冠大会で、14日から会場入りして備えるなどホストプロの自覚も十分。22歳の怪物が歴史に名を残す日が近づいてきた。

 ≪ジャンボは3連覇≫ダンロップ・フェニックスを制した日本人選手は74年の第1回から6人。85年大会を中嶋常幸が制すと94年から尾崎将司が3連覇。00年に片山晋呉が戴冠し、02年は横尾要が優勝。以降、しばらくは日本人選手の勝利はなかったが、10年に池田勇太、11年は武藤俊憲がそれぞれ優勝。前身の全日空フェニックスでは72年に能田征二、73年に宮本康弘が優勝している。

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