錦織 2週連続V王手!「きついっす」も代名詞粘り腰で逆転

[ 2014年10月5日 05:30 ]

大勢のファンにサインする錦織

男子テニス楽天ジャパン・オープン第6日

(10月4日 東京・有明テニスの森公園)
 2週連続優勝に王手をかけた。シングルス準決勝が行われ、世界ランク7位の錦織圭(24=日清食品)が同62位のベンヤミン・ベッカー(33=ドイツ)に4―6、6―0、7―6で逆転勝ちし、2年ぶりの決勝進出を果たした。今大会初めてセットを失ったが第2セットで盛り返し、最終セットはタイブレークを制した。5日の決勝は、優勝した2年前の決勝と同じく同8位のミロシュ・ラオニッチ(23=カナダ)との再戦となった。

 勝利の瞬間、ラケットを放り、両手で拳を握りしめた。最後はこん身のフォアハンドを決め「きついっすね。最後に最高のプレーができて良かった。長い試合を勝てた喜びが大きかった」と安どの表情。ベンチに戻りタオルで顔を覆ったまま座る姿は、1時間46分の激戦を物語っていた。

 自信を力に変えた。ミスの少ない相手に「突破口をなかなか見つけられなかった」と苦戦。それでも第2セットを6―0と圧倒し、最終セットで1つギアを上げた。「足を動かして、ほんのちょっと気持ちを前のめりにすることを心掛けた。リターンゲームに集中した」。タイブレークは1―2から6連続得点。切れを増したショットで勝負を決めた。

 土壇場での強さは証明済みだ。この日の勝利で今季のタイブレークは16勝8敗の勝率・667。最終セットは驚異の16勝2敗で勝率・889だ。「(最終セットが有利だと)きょうは思わなかったけど、自分の記録に傷がついちゃうと考える時もある。それが良い方向に向かってメンタルで助けてくれる。負けず嫌いだから」と勝負強さの理由を明かした。

 マレーシア・オープンからの連戦で疲労もあり万全ではない。2日には右臀部(でんぶ)の違和感でダブルスを棄権。この日も第2セット後にマッサージを受けた。「格下と言えど強い相手。絶対勝てるというのはなくて、決勝まで来られて驚きもある」と心境を吐露。「疲れはあるが、もう1試合なので大丈夫」と自らに言い聞かせた。

 全米オープンから3大会連続の決勝進出。相手は今大会初優勝を飾った2年前の決勝と同じラオニッチだ。全米オープンで4時間19分の死闘を演じるなど今季も既に3度対戦し「お互いにやりにくい」と捉えている。優勝したマレーシア・オープンの決勝前夜は眠れなかったというが「作戦を考えて寝られることを願います」と笑った。今季4勝目となれば、世界1位のジョコビッチ、2位のナダルと肩を並べる可能性もある。自身初の2週連続優勝、そして凱旋優勝まであと1つ。錦織が再び日本テニス界の歴史を塗り替える。

 ☆12年の楽天ジャパン・オープン決勝 世界ランク17位だった錦織は同15位のラオニッチと対戦。ラオニッチの強烈なサーブに苦戦したが、第1セットを7―6で先取。第2セットは3―6で落としたが、最終セットは6―0と粘り勝った。

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