愛が藍超えへ!最年少公式戦2勝目見えた「気負わず楽しく」

[ 2014年10月5日 05:30 ]

<日本女子オープン3日目>3番、ティーショットを放つ鈴木愛。メジャー連勝へ首位タイ浮上

女子ゴルフツアー 日本女子オープ第3日

(10月4日 滋賀県栗東市 琵琶湖カントリー倶楽部 栗東・三上コース=6522ヤード、パー72)
 日本女子プロ選手権覇者の鈴木愛(20=フリー)が公式戦2連勝へ王手をかけた。得意のパットで後半にバーディーを量産して69をマーク。通算8アンダーで首位に浮上した。宮里藍の持つ公式戦2 勝達成時の最年少記録の更新、樋口久子以来37年ぶり2人目となる同一年日 本タイトル2冠の偉業へと挑む。この日のベストスコアタイの68で回ったウェイ・ユンジェ(35=台湾)が鈴木とともに首位に並んだ。
【第3R成績】

 伏兵に過ぎなかった若手ゴルファーが1カ月足らずで実力者となった。上位陣が伸び悩む中、スコアボードを駆け上がったのは3週前の日本女子プロ選手権で初勝利を挙げたばかりの鈴木だ。今度はメジャー2連勝へ王手をかけた。

 「前半はバーディーがなくて流れが悪かったけれど、後半は自分の思うようなプレーができていいラウンドだった」

 スイッチが切り替わったのは9番だった。ピン上3メートルのパーパットを執念で入れると、11、14番ではショットが切れて1メートルにつけてバーディー。15番で8メートルをねじ込むなど、後半だけで全5バーディーを稼いだ。前日のラウンド後に1時間半も練習したパットが身を助け、首位へと押し上げた。

 再び藍超えのチャンスを手にした。宮里藍を超える大会最年少で日本女子プロ選手権を優勝したばかりだが、最終日で20歳149日の鈴木が今大会を制すれば、公式戦2勝達成年齢も宮里藍の21歳83日を抜く。同一年の日本タイトル2冠も樋口久子しかなし得ていない偉業で、37年ぶりの快挙となる。実はこの日の朝、「発奮すると燃える子だから」と南秀樹コーチ(40)があえて「プロゴルファー日本一なんだから、今度も狙え。日本タイトル2冠は樋口さん以来だぞ」と活を入れた。プレッシャーになってもおかしくないが「朝が弱いので、“へえ、そうなんだ”と、あまり聞こえていない感じだったんです」と意に介さずに、結果を出した。

 自宅に大量の花が届けられ、無料通話アプリLINEのメッセージやメールは500通も届いた。ようやく返信を終えたばかりで、またお祝いラッシュの予感が漂う。「優勝できれば一番いいけれど、気負わず楽しくゴルフができたら」。重圧に負けず逃げ切った前例はある。歴史は再び繰り返されるか。

 ≪藍の記録更新≫鈴木が優勝すると20歳149日となり、宮里藍の持つ公式戦2勝達成の年少記録21歳83日を更新する。

 ≪過去は樋口のみ≫過去、同一年の日本女子プロ選手権と日本女子オープンを制したのは1968年を皮切りに69、70、71、74、76、77年の7度達成した樋口久子のみ。

 ≪四国勢初制覇へ≫徳島県出身の鈴木が優勝すると、四国勢初の日本女子オープン覇者になる。

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