錦織 チャンコーチと涙の抱擁、満場ファンに感謝「限界超えられた」

[ 2014年10月5日 17:02 ]

優勝した錦織はコートに倒れこむ

男子テニス楽天ジャパンオープン最終日

(10月5日 東京・有明テニスの森公園)
 双方が持てる実力を出し切っての熱闘を制したのは錦織だった。9月の全米オープン4回戦で4時間19分の死闘を演じたラオニッチとの決勝は2時間を超えるフルセットの戦い、最後はラオニッチの返球がネットにかかり錦織の勝利が決まった。

 その瞬間、錦織はガッツポーズもなく、笑みも見せなかった。ラオニッチと握手を交わした後に疲れ切った体をコートに投げ出し、立ち上がると涙をにじませて、スタンドのマイケル・チャンコーチらスタッフのもとに歩み寄って抱擁を交わした。

 前日までの連戦で右でん部に違和感を感じながらのプレー、230キロ近いラオニッチの強烈なサーブに苦しめられ、ブレークできたのは最終セットの勝利を決めたゲームだけだった。錦織は「つらい中でも日本でやれる楽しさと、(皆さんの)後押しがあって限界を超えて戦うことが出来た」と感謝を述べた。

 途中からは「何を考えているか分からなくなった」と極限状態でもサービスをキープし「食らいつくことだけ考えてやっていた」と、縦横に走り巧みなストロークを繰り出した。初の2週連続優勝については「出来すぎなところがあるかも。(日本で勝てたのは)格別なことなので、喜びを一日かみしめて(次の大会のある)上海に行きたい」と、早くも次の戦いに目を向けた。

 この優勝で世界ランキングは6位に躍進するとみられ、ATPツアー・ファイナル(11月、ロンドン)出場にも前進した。最後には「来年も勝てるように戻って来たい」と連覇を宣言、ファンから満場の拍手を受けていた。

続きを表示

2014年10月5日のニュース