遼に聞く 米2年目でシード獲得も貪欲「英樹より遅いけどはい上がる」

[ 2014年8月19日 11:32 ]

インタビューに答える石川

 ウィンダム選手権70位で今季のレギュラーツアーを終えた石川遼(22=CASIO)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じた。フェデックス・カップ・ランキングで75位となり上位125人に与えられる来季シード権を獲得。同141位で下部ツアーとの入れ替え戦に回った昨季から飛躍した今季を振り返り、優勝への思い、次週から始まるプレーオフ(フェデックス・カップ)への抱負、ライバルの松山英樹(22=LEXUS)について熱く語った。

 ――米ツアー本格参戦2年目でシード権を獲得。着実にステップアップした一年だった?

 「次の年もUSPGAツアーでプレーするのが常に一番大切なことで、同時に最低限のライン。そこをクリアした今年は自分にある程度の評価を与えつつ、最低限の課題をクリアしただけで、まだ勝てる力がついたとは思っていない」

 ――苦労した昨季はどんなゴルフだったか。

 「とにかく真っすぐ飛んでくれ、とか、ボギーを打たないようにだとか、予選を通ってフェデックス・ポイントを稼ぐことで精いっぱいだった。今は自分のゴルフをしっかり見つめることができていて、濃い内容の練習もできているし、続けていれば結果もついてくると思う。1年前に比べれば目指すものが、かなり変わってきた」

 ――部門別成績から見てパッティングが成長した。昨年と比べてどこが変わった?

 「体かなと思う。以前は腰痛で練習できない体で、全てがダメだった。1Wは飛ばない、アイアンは当たらない、アプローチは芯を食わない、パットも入らない。体の状態が上向いて練習できるようになってから全てが良くなった」

 ――トップ10は昨年1回から増えて3回に。その先に見据えるものは。

 「選手層も厚く、油断していると力のある選手でさえ抜かれてしまう状況。その中で生き残っていかないといけないし、そのためには勝利を狙わないといけない。ただ、最終的にメジャーで勝つゴルフを目指している。そこはやはり遠い。でも、そこを目指していれば、おのずと勝てるゴルフになってくると思っている」

 ――松山英樹選手の存在は米国でどのように影響しているか。

 「ジュニア時代から争ってきた選手が今では英樹を含め2、3人しか残れていない。今後、出てくるかもしれないけど、かつて倍以上の人数で争ってきた。その中で残ってきたので、刺激というよりもサバイバルかなと。特にUSPGAツアーという舞台では自分が生き残るのも必死。ただ、争ってきた戦友が上がっていくことに悔しさはある」

 ――来季こそ米ツアー初優勝という気持ちか。

 「去年のファイナルズ(入れ替え戦)の最後に勝ち残った25人が表彰式でみんなで握手をして、来年はもうここには戻ってきたくないね、という話をした。落ちる選手もいれば残る選手もいる。その中で残った選手の一人に入れた。英樹に比べたら進むスピードは遅いかもしれないけど、うらやましいとか思っても意味がない。自分のベストを尽くしてここからはい上がっていきたい」

 ――次週から始まるプレーオフ全4戦の最終戦30人に残れば来季のマスターズ、全米オープン、全英オープンの出場権を得られる。2戦目まで出場資格があるが、モチベーションは?

 「大事な試合になる。とにかく3戦目、4戦目が目標。まず3戦目を目指して1戦目でポイントを稼ぎ、2戦目である程度の順位になれば3戦目いけますよ、というようになれば最高。トップ選手がそろう難しい戦いだけれど、3戦目に出られれば4戦目も狙っていきたい」

 ▽フェデックス・カップ 07年に導入されたプレーオフ・シリーズ4試合。ウィンダム選手権までのレギュラーシーズン各大会の成績に応じて与えられるポイントでランキングを決定。レギュラーシーズン終了時のランキング125位以内が出場できる。大会を終えるごとに出場枠が減らされ、30人で争う最終戦ツアー選手権終了時のランキング1位が年間王者となり賞金1000万ドル(約10億2000万円)を獲得する。

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