急死の前理事長しのぶ 弟子の魁、白星ささげられず取組後に涙

[ 2014年5月19日 18:43 ]

 日本相撲協会前理事長で先代放駒親方(元大関魁傑)の西森輝門氏が18日に虚血性心疾患で急死して一夜明けた19日、大相撲夏場所9日目の東京・両国国技館では、66歳で亡くなった故人をしのぶ声が広がった。

 西森氏と同じ二所ノ関一門の尾車理事(元大関琴風)は、八百長問題など不祥事への対応に苦闘した姿に思いをはせた。「朝早くから夜遅くまで協会の立て直しに毎日奔走していた。心労もあったろうし、寿命を縮めたかもしれない」と悲痛な表情だった。

 西森氏の弟子で葬儀委員長を務める芝田山親方(元横綱大乃国)は「おやじへの最後のご奉公だ」とつぶやき、現役時代に花籠部屋の消滅で放駒部屋へ移った峰崎親方(元幕内三杉磯)は「あと10年は生きてほしかった。理事長就任後は体が曲がってかわいそうだった」と視線を落とした。

 故人の弟子で現在は芝田山部屋に所属する力士は取組後に涙を流した。モンゴル出身の十両魁は供養の白星をささげられず「こんな形で亡くなるとは夢にも思わなかった。今の自分があるのは師匠のおかげ」と声を震わせ、西幕下筆頭で黒星の若乃島も「曲がったことが大嫌いな師匠だった」と目を真っ赤にした。

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2014年5月19日のニュース