勝みなみ首位発進!史上2位年少記録の15歳291日

[ 2014年4月19日 05:30 ]

1番ホール、ティーショット前に体をほぐす勝みなみ

女子ゴルフツアーKKT杯バンテリンレディース第1日

(4月18日 熊本県菊池郡 熊本空港カントリークラブ=6455ヤード、パー72)
 15歳291日のアマチュア、勝みなみ(鹿児島高1年)が5連続を含む6バーディー、ノーボギーの66で回り、6アンダーでO・サタヤ(30=タイ)と並んで首位に立った。アマ選手の初日首位は女子ツアー史上10回目(8人目)で、勝は04年スタンレーレディースの宮里美香(14歳280日)に次いで2番目の年少記録。1打差の3位にイ・ボミ(25=韓国)がつけている。
【第1R成績】

 1メートル57と小柄な“みなみちゃん”が居並ぶプロを蹴散らしてトップに立った。4月に高校に入学したばかり。アマではツアー史上2番目の若さで初日首位に立った。

 「出だしの10番で2メートルのパーパットが入ったのできょうは調子がいいなと感じた」。嵐のようなバーディー攻勢は14番パー4から始まった。残り120ヤードの第2打を9Iで4メートルにつけて沈める。15番はグリーン左のカラーから6メートルをパターで放り込んだ。16、17番はともに1メートル、18番パー5は3メートルを決めて5連続バーディー。記録に残る90年以降、アマチュアでは08年に金田久美子が記録した「6」に続く歴代2位の快挙だ。「自分でもびっくり。きょうの決め手はパットですね」とあどけない笑顔を見せた。

 ドライバーの飛距離は女子ツアーでもトップクラスの250ヤード。一緒に回った宋ボベ、ジョン・ヘジンの韓国人プロ2人を常にアウトドライブした。「ゴルフだけはプロにも負けたくない」という気の強さに思い切りのいいパットも武器だ。鹿児島・長田中2年の12年に西陣レディースでツアー4位の年少記録となる13歳288日で予選通過。最終25位でベストアマに輝いた。同年5月の九州女子アマでは大会史上最年少13歳328日で優勝。県外の高校ゴルフ強豪校で腕を磨く道もあったが「練習環境が良く、応援してくださる方々も多い地元に残りたかった」と自宅から自転車で20分の鹿児島高に進んだ。

 コーチにつかず、自分で練習メニューを考え、自宅近くの練習場で打ち込み。週末はゴルフの手ほどきを受けた祖父・市来(いちき)龍作さん(74)とラウンドを楽しむ“自然児”だ。3月にはニュージーランド女子アマに挑戦。15歳で米ツアーを制したリディア・コ(ニュージーランド)が、11年に残した大会最少スコアを更新して優勝と世界の舞台も経験した。

 19日の2日目は「アマのうちに一度は経験してみたかった」という最終組で回る。今季は柏原明日架、森田遥らアマがツアーで優勝争いを演じた。20日に15歳293日となる勝が勝てばアマでは女子ツアー最年少記録。「私にはまだその実力はないと思うし、経験も足りない」と控えめだが、爆発力を秘めた15歳が不可能を可能に変えるかもしれない。

 【勝みなみアラカルト】

 ☆生まれ 1998年(平10)7月1日、鹿児島市出身の15歳。

 ☆きっかけ 名山小1年の7歳の時に祖父・市来龍作さんのショットが真っすぐ飛ぶのに憧れ「あんな球が打ちたい」とクラブを握る。器械体操と二足のわらじを履き、9歳から本格的にゴルフに取り組む。現在でも鉄棒やマット体操が得意。

 ☆タイトル 鹿児島・長田中ではスポニチ主催全国中学校ゴルフ春季大会で2、3年時に連覇。

 ☆サイズ 1メートル57、56キロ。3月の日本ゴルフ協会(JGA)女子ナショナルチームのグアム合宿で「理想体重は62キロ」と指導されたが「6キロも太ると着るものが入らなくなる。体重は増やしません」と拒否。

 ☆憧れ 好きなプロゴルファーは宮里藍。「インタビューでのはきはきとした受け答えも好きだし、ゴルフに前向きなところも好き」。自らもはきはきとしたしゃべりを心がける。

 ☆家族 父・秀樹さん(45)と母・久美さん(47)はともに小学校教諭。「勉強もきちんとしないと両親からゴルフ禁止令が出されるんです」と文武両道が目標。

続きを表示

2014年4月19日のニュース