遠藤特需だ!夏場所入場券売り上げ“勝ち越し”見えた

[ 2014年4月19日 05:30 ]

若い衆に稽古をつける遠藤

 大相撲の力士一行が18日、両国国技館発のバスで19日から再開する春巡業のため千葉県館山市に乗り込んだ。幕内・遠藤(23=追手風部屋)は巡業中に横綱級の任務を課せられていることが判明。手形入りサイン色紙で計700枚のノルマがあり、空き時間も大忙しとなる。遠藤人気もあって夏場所(5月11日初日、両国国技館)は8日分以上の満員御礼が見込めるほど前売り券の売れ行きが上々で、さらなる飛躍が期待される。

 地方巡業での“最大の敵”は真っ白な色紙だった!?先月末から今月末まで1カ月にわたって計11日間の日程が組まれている春巡業。19日の館山市で8カ所目となるが、これまでも遠藤は空き時間を利用して何重にも積まれた色紙と格闘してきた。墨を使って手形を押し、筆を握ってサインを書く反復作業。相撲協会から課せられた枚数は700枚だが、これまでに完成したのは200枚だ。

 力士の手形サインを担当する協会関係者は「これまで平幕でここまで手形を押す力士はいなかった。横綱でも700枚も押さないよ」と異例の任務であることを説明し「実はもっと求められているんです」と明かした。現役力士の手形は押せる枚数に限界があり、希少価値を求めてさまざまな関係者から要望がある。枚数そのものが人気のバロメーターでもあり、この日の朝稽古後には遠藤も「手のひらがだんだん擦り切れている」とうれしい悲鳴を上げていた。

 遠藤人気は夏場所の入場券売り上げにも影響を及ぼしている。初日まで3週間以上あるが、たまり席と升席は既に初日、7日目、8日目、14日目、千秋楽の5日分が完売。消費税増税で1600円値上がりした升席A(4万6800円)は平日を含めて計8日分が売り切れていることもあり、販売担当の親方は「とにかく売れ行きはいい。新横綱の鶴竜もいるし、遠藤というスターも出てきた。消費税が上がって心配していたけれど、勝ち越し(8日分の満員御礼)も見えている」と明かした。

 年3度の東京場所で満員御礼が8回を超えれば、09年秋場所以来5年ぶり。スピード出世のため、いまだにマゲが結えない23歳だが、注目度は日増しに高まる一方だ。

 ▽満員御礼 入場券の売れ行きが目安として7~8割を超えた場合、幕内取組前に「満員御礼」の垂れ幕が土俵上の天井から四方に向かって垂れ下がる。年3度ある東京場所で8回を記録したのは、千秋楽相星決戦で朝青龍が白鵬に勝利するなどして盛り上がった09年秋場所を最後に途切れている。昨年は夏場所が6回、秋場所が7回。今年初場所も7回だった。

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