鶴竜、初Vに望み…白鵬に2度勝って初V&綱獲り挑戦だ

[ 2014年1月26日 05:30 ]

はたきこみで稀勢の里を破った鶴竜(右)

大相撲初場所14日目

(1月25日 両国国技館)
 大関・鶴竜が稀勢の里をはたき込んで1敗を守り、初優勝への望みをつないだ。26日の千秋楽の結びで、全勝を守った横綱・白鵬と直接対決。本割に勝てば優勝決定戦にもつれ込む。白鵬は2場所ぶり28度目の優勝を懸ける。大関・稀勢の里は7敗目を喫し、綱獲り場所から一転して負け越しの危機に陥った。平幕・遠藤は里山を下して11勝目を挙げた。

 1敗を守って土俵下に残った鶴竜は、続く一番で表情を変えずに白鵬の勝ち名乗りを見届けた。千秋楽で優勝を争う相手は、当然のように強い相撲を見せつけたが、気後れはない。武者震いする代わりに、花道を引き揚げて支度部屋へ続く通路で数メートルの小走りを見せた。

 稀勢の里は手負いとはいえ、この日まで6連敗中。「胸を合わせたくない。左四つにならない」。立ち合いで踏み込み、後退させて突き放した。圧力をかけ続け、相手が踏ん張ったときにはたき込んだ。狙った通りの展開での13連勝。それでも「やっていることは、これまでと変わらない」と冷静だ。一方で師匠の井筒親方(元関脇・逆鉾)は変化を感じ取っていた。12年夏場所で大関昇進後、しばらくは「地位を守る、という姿勢だった」と振り返る。しかし、「最近は優勝したい、という気持ちが強くなった。特に今場所は、そう」と話す。

 鶴竜は報道陣に明かさなかったが、先場所は稽古で左足首を痛めていた。まともに相撲が取れる状態ではなく、最初の3日で1勝2敗。井筒親方は「4日目に負けたら休場させるつもりだった」と振り返る。「そこを乗り越えたことで、ひと回り大きくなった」と目を細めた。

 自身初の千秋楽の結びは、初Vだけではなく来場所の綱獲りも懸かる大一番となる。北の湖理事長(元横綱)は「優勝同点ならね。白鵬に勝つことは、大きい」と横綱を倒して決定戦に持ち込めば、来場所が綱獲り場所になることを示唆した。

 過去2勝30敗の白鵬に本割と優勝決定戦で連勝するのは至難だが、鶴竜は「泣いても笑っても、あしたが最後。優勝のことは考えてしまうけど、考えないようにしたい」と力を込めた。12年春場所では優勝決定戦で完敗した白鵬に、まずは本割で雪辱しなければならない。それが初賜杯と、綱への一歩となる。

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2014年1月26日のニュース