81キロ級永瀬が初出場V また日本勢4階級全制覇

[ 2013年12月1日 05:30 ]

男子81キロ級決勝 ロイック・ピエトリ(下)を破り優勝した永瀬貴規

柔道グランドスラム 東京大会第2日

(11月30日 東京体育館)
 男子81キロ級の永瀬貴規(20=筑波大)が初出場で初優勝を飾った。決勝では今年の世界選手権優勝のロイク・ピエトリ(23=フランス)に3分19秒、足車で一本勝ちを収めた。昨年は日本勢の連勝が途切れ、男子代表の井上康生監督も「ウイークポイント」と語っていた同階級。期待の若手が実力を証明し、初日に続いて男女4階級全てを日本勢が制した。

 理性と本能が見事にかみ合った。男子代表の井上監督が「永瀬の長所は勘がいいところ。そして組み手の対応力」と言う通り、決勝では両方の持ち味を発揮した。

 序盤はピエトリが得意とする担ぎ技を警戒し、冷静に「相手の釣り手を殺す」ことを徹底した。先に指導を受けたピエトリが焦って攻めに転じるや、今度は勘の良さを発揮。「最後の技は自然と出た」という足車で、世界王者をぐるりんと投げ飛ばした。

 昨年大会は81キロ級で男子の連勝が途切れ、今年の世界選手権でも81キロ級以上はメダルなしに終わった。永瀬は「自分が出ていたらどうなっただろう。勝てたんじゃないか」とその舞台に立つことさえできなかった悔しさをバネに、先月の講道館杯に続いて今大会も制覇。「81キロ級はおまえが出てこなきゃ駄目だろう」と?咤(しった)してくれた井上監督の期待にも応えた。準々決勝では世界選手権2位のチリキシビリ(グルジア)、準決勝ではロンドン五輪代表の中井も破った。「81キロ級でも世界は獲れる。誰から見てもこの階級は永瀬、という選手になっていきたい」。堂々の勝ち上がりが若武者の大きな自信につながった。

 ◆永瀬 貴規(ながせ・たかのり)1993年(平5)10月14日、長崎県長崎市生まれの20歳。親戚が道場の先生だった「養心会」で6歳から柔道を始める。長崎日大中、同高から筑波大に進学。主なタイトルは全国高校選手権、全日本ジュニア、今年のユニバーシアード、講道館杯など。得意は足技。好きな食べ物はチキン南蛮。1メートル81。

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2013年12月1日のニュース