松山 通算イーブンでじわり9位浮上 新グリップ試行錯誤も

[ 2013年11月23日 05:30 ]

ダンロップフェニックストーナメント2日目、12番で砂煙を上げて第2打を放つ松山英樹

男子ゴルフツアー、ダンロップ・フェニックス第2日

(11月22日 宮崎県宮崎市フェニックスカントリークラブ=7027ヤード、パー71)
 10位で出た松山英樹(21=東北福祉大)は71にまとめ、通算イーブンパーの142で首位に3打差の9位に順位を上げた。ボギーが先行する苦しい展開だったが、最終18番パー5でバーディーを奪い上位に進出した。66をマークした前年覇者のルーク・ドナルド(35=英国)ら4人が通算3アンダーで首位に並んだ。
【第2R成績】

 南国の日に照らされた18番パー5。第1打をフェアウエーに運んだ松山の2打目はピンまで251ヤード。前方の木を避けるように左から回すと、高く上がった球はギャラリーの歓声とともにグリーンを捉えた。84選手中、唯一2オンに成功。8メートルから2パットでバーディーを奪った。「いい流れじゃない中でイーブンで回れて良かった」。最後の一打が効いて首位と3打差に踏みとどまった。

 序盤は精彩を欠いた。5番は3メートルを外してボギー。6番では12メートルのバーディートライから3パット。9番でアプローチを寄せ切れずボギーを叩くと「イージーミスをして何をしているのだろう」とがっくり。それでも、10番はチップインでバーディーを奪い「帳消しになった」と前を向いた。ミスを引きずらずにプレーを続けたことが最後の粘りにもつながった。

 世界を目指し、試行錯誤は続いている。プロ転向から樹脂製の「イオミック」のグリップを使用していたが、先週からゴム製の「ゴルフプライド」をテスト。関係者によると、樹脂に比べゴムは汗を吸収しやすい。先週は気温の低い御殿場だったが、宮崎の最高気温はこの日19度まで上昇。松山は汗で滑るグリップを何度もタオルで拭いた。その姿に「しっくりきてないんでしょうね」と進藤キャディー。だが、そんな条件でもスコアを落とさないのがこの男の実力だ。

 予選2日間は11年の欧米両ツアーの賞金王、ドナルドと同組でプレー。世界を制した男はこの日ベストの66をマークして首位に立った。その差を見せつけられながらも、「上に行くことが賞金王につながっていくと思っている」ときっぱり。手に汗握る残り36ホール。世界との差を埋めた時、キングの扉が開かれる。

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2013年11月23日のニュース