松山 いきなり米の洗礼…同組ラブから“新人教育”

[ 2013年10月12日 06:00 ]

同組のラブから注意を受けた松山

USPGAツアー フライズコム・オープン第1日

(10月10日 米カリフォルニア州サンマルティン コルデバレーGC=7368ヤード、パー71)
 米ツアーの2013―14シーズンが開幕し、フル参戦初戦の松山英樹(21=東北福祉大)がいきなり洗礼を浴びた。1番グリーンで同組のデービス・ラブ(49=米国)からボールを戻す位置が違うと指摘された。波乱の幕開けながら、アイアンが切れて4バーディー、3ボギーの70で首位と6打差の34位。2年目の石川遼(22=CASIO)は2アンダーの19位で、ジェフ・オバートン(30=米国)が7アンダーで首位に立った。

 いきなり面食らった。松山が1番で2・5メートルのバーディーパットを打とうと、ボールを置いた時だ。同組のラブが人さし指と親指で“これぐらい”というポーズをつくりながら、ボールを戻す位置がマークの場所からずれていると指摘した。戸惑いを浮かべたまま、渋々もう一度ボールを置き直したルーキー。このチャンスを外すと、リズムが狂ったか2番ではボギーを叩いた。

 「こういうことが普通にあるんだな、と思った。(ラブは)初めにどこにマークしたかは見ていないはず。もしずれていても何ミリも変わらないはずなのに、そこを言われると違和感がある」

 東北福祉大ゴルフ部・阿部監督からは「洗礼を浴びせられる可能性がある」と聞かされていた。とはいえ、1番のファーストパットから仕掛けられるとは予期していなかったようだ。先制ジャブを放った通算20勝選手の意図は何か。ラウンド後、ラブと話をした松山の通訳、ボブ・ターナーさんは「今後、同じようなケースが出てこないよう、初めに伝えておいたということ」と説明した。ラブは紳士的な選手として知られる。今回は嫌がらせでなく“新人教育”の意味合いが強かったようだ。

 ただ、出だしでつまずいても顔色一つ変えずに盛り返すのが松山だ。イーブンパーで臨んだ17番パー4の第2打は、大きな池とバンカーを越えてグリーンの端へ。9メートルのバーディーパットをねじ込んだ。18番パー4では第1打を右に曲げた。フェンスが近く救済でドロップ。そこからはギャラリー用のテントと前方の木でグリーンが見えなかったが、パーオンさせて観客のどよめきを誘った。最後はパーをセーブし、1アンダー。初陣の感慨にふけることもなく「調子は普通ですかね」と平然と語った。

 1Wは安定感を欠いたものの飛距離は抜群。初日平均は全体18位の309ヤードながら、2番(347ヤード)と9番(356ヤード)では全選手の中で最長飛距離をマークした。「フェアウエーにいけばチャンスに付けられている。アイアンは悪くない」。米ツアーの通過儀礼を終えた。怪物パワーを解き放つのはこれからだ。

 ◆主な日本人選手の米ツアー初陣

 ☆堂々の丸山茂樹 30歳で挑み初戦は00年のソニー・オープン。第1ラウンドは3アンダーの67で9位と好発進。2日目に16位まで後退したが、最後まで粘り強くプレーし9位に食い込んだ。

 ☆まずまず宮里藍 20歳で臨んだ初戦は06年のSBSオープン。第1ラウンドは2アンダーの70で13位だったが、2日目以降崩れて48位に終わった。

 ☆圧巻の上田桃子 国内で賞金女王に輝き、21歳で迎えた初戦は08年のSBSオープン。1アンダーの71で23位発進。2日目に67で回り3位に浮上。最終日は優勝争いを繰り広げ、5位と健闘した。

 ☆ほろにが石川遼 21歳で参戦した初戦は12年のヒューマナ・チャレンジ。初日は2アンダーの70で90位と大きく出遅れると、135位で予選落ち。

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2013年10月12日のニュース