稀勢の里 白鵬に「胸借りる」綱獲りノルマ13勝へ稽古志願

[ 2013年6月25日 06:00 ]

笑顔で綱獲りへの意気込みを語る稀勢の里

 日本相撲協会は24日、名古屋場所(7月7日初日、愛知県体育館)の番付を発表した。初の綱獲りに挑む大関・稀勢の里は愛知県長久手市の鳴戸部屋で会見し、13勝2敗の成績を挙げながら初優勝を逃した夏場所の悔しさを晴らすことを約束。場所前には横綱・白鵬と稽古で胸を合わせる意向を示した。また、11年の八百長問題で解雇処分を受けながら、地位確認訴訟で勝訴した蒼国来が処分前と同じ西前頭15枚目で番付に復帰した。

 日本国民が待ちに待っている和製横綱誕生の瞬間。そんな重圧を一人で背負う稀勢の里だが、その表情は落ち着いていた。「気負い過ぎず、いつものことを繰り返してやることが一番」。迷いなく堂々と、そして風格たっぷりに綱獲り場所に向け、意気込みを語った。

 先場所は13連勝後に2連敗。先代師匠(元横綱・隆の里)の教えから公の場で本人が口にすることはないが、実は14日目の白鵬戦で左膝を負傷していた。全く踏ん張れず、琴奨菊に敗れた千秋楽の後、関係者が「(膝を)やったのか?」と尋ねると「はい」とつぶやいたという。幸い大事には至らず回復。この日も「千秋楽の方が自分の中では消化し切れていない」と完全燃焼できなかった悔しさを吐露した。

 「上の相手と稽古したい」と先場所前に解禁した出稽古を名古屋でも積極的に行う予定で、白鵬との稽古についても「そうなった場合は胸を借りたい」と含みを持たせた。北の湖理事長が掲げる綱獲り条件は「13勝以上の優勝」。03年1月の貴乃花の引退以来、10年半も続く“日本人横綱不在時代”の解消に向け、大関は「入門した時から常に目指している」と平然と話した。

続きを表示

2013年6月25日のニュース