藍、持ち味生かし「気持ちよく」69 13年初戦10位発進

[ 2013年2月22日 06:00 ]

第1ラウンド、10番でティーショットを放つ宮里藍

USLPGAツアーホンダLPGA第1日

(2月21日 タイ・パタヤ サイアムカントリークラブ=6469ヤード、パー72)
 今季初戦の宮里藍(27=サントリー)は4バーディー、1ボギーの69で首位と6打差の10位で発進した。プロ10年目のコースマネジメントと小技が光り、手堅くスコアをまとめた。宮里美香(23=NTTぷらら)も10位。昨年の年間最優秀選手のステーシー・ルイス(28=米国)が9アンダーで2位に3打差の首位に立った。

 最終18番をパーでまとめると、白い歯がこぼれた。69のスコア以上に宮里は戦える手応えをつかんだ。シーズンを占う初戦の初日。それも最初の1番パー5で計算ずくの2013年初バーディーを奪った。「思うようなマネジメントでスタートできて、気持ち良く入れた」。文字通り最高の滑り出しとなった。

 10年に優勝した得意舞台とはいえ、昨年までと違ってラフが長い設定。そのため、フェアウエーキープを第一にゴルフを組み立てた。1番パー5は1Wを握ってフェアウエーを外した場合に右にバンカー、左にラフがある。「今までとにかく前にという感じだったけど、ラフに入れると9Iでも出すのが厳しい。今年は3Wで行く」と語っていた通り、第1打は3Wを握ってフェアウエーキープ。第2打を残り80ヤードまで運び、そこからSWで2メートルにピタリとつけた。

 同組で54位だった世界ランク1位ヤニ・ツェンに1Wで60ヤード近く離されても涼しい顔。3番でマウンド越えの8メートルのパーパットを沈めると「流れが決まった」と、その後も好リカバリーを連発した。6、9番ではアプローチをベタピンに付けてパーセーブ。タイ特有の蒸し暑さにも精神力で耐え、69の好スコアにつなげた。

 今季でプロ10年目も「一年一年、一試合一試合」と自然体を強調する。例年通りにアリゾナで合宿を張ったオフは自炊も行い、野菜などを多めに取るようにして体調管理に気を配った。途中、上田桃子や兄の優作も合流し、刺激を得たが、自分のスタイルはぶれない。基本的に変化を好まないタイプ。新しいことに取り組むプロも多いが、宮里は「私はベースをどれだけ太くできるかだと思う。年輪のように良さを良くする方向で練習している」と自らの生命線であるショットの精度と、武器のショートゲームを突き詰めた。

 この日も持ち味のアプローチがさえ渡り、自分の武器を再確認した。「パットが入るかどうか」とカギはグリーン上と見るが、晴れやかな表情こそが何より自信を物語っていた。

 ≪悪くない相性≫宮里は今大会は5年連続5度目の出場だが、コースには良いイメージを持っている。初めての開催となった09年は通算イーブンパーで22位に終わったが、10年は6打差の3位から出た最終日に63のビッグスコアを出して優勝。翌週のHSBC女子チャンピオンズも勝って自身初の連勝を記録した。開幕2週連続優勝は米ツアー44年ぶりの快挙だった。11年はパットに苦戦し29位も、昨年は最終日に首位で出ると、最終18番までヤニ・ツェンと死闘を演じ、1打差の2位だった。

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