早大出身の皇風 新入幕に座布団一枚!OB元首相が贈呈

[ 2012年4月24日 06:00 ]

皇風は母校・早大の旗を振りながら新入幕を喜ぶ

 日本相撲協会は23日、大相撲夏場所(5月6日初日、両国国技館)の新番付を発表した。皇風(25=尾車部屋)は早大出身として1935年夏場所の笠置山以来77年ぶり2人目の新入幕。24日に同じ早大出身の森喜朗元首相から座布団が贈られることが決定するなど母校の大きな期待を背負って土俵に上がる。鶴竜はモンゴル出身で4人目の新大関となって西に座り、史上初の6大関時代に突入した。

 3四半世紀もの時を超え、ワセダの新入幕力士が誕生した。早大出身として笠置山以来77年ぶりに幕内に昇進した皇風は、しこ名が番付の一番上の段に載っていることを入念に確認。「実感が湧いてきた。たくさんの人が応援してくれている。いいお手本になりたい」。自らの基礎を培った母校の誇りを言葉に込め、今後の土俵人生へ決意を新たにした。

 十両4場所目の春場所は12勝を挙げて優勝。くしくも77年前、笠置山も十両4場所目に優勝して入幕を果たした。打倒双葉山の名参謀として名をはせた“大先輩”と同じ道を進んでいることに、平成のインテリ力士は「初めて聞いてビックリしました」と運命めいたものを感じた。

 史上2人目のワセダ幕内力士。周囲も盛り上がりを見せている。24日には衆議院議員会館で森喜朗元首相から座布団を贈呈される。土俵下の控えで自らのしこ名が入った座布団を敷くことができるのは幕内の特権。関係者によると、座布団の色は早大カラーのエンジで染められているという。

 師匠の尾車親方(元大関・琴風)は春巡業中に転倒し、頸髄(けいずい)損傷で現在も入院中だ。夏場所も全休する見込みだが、皇風は「師匠がいなくて不安もあるけど、いない分しっかりしないと」と力強く言った。母校、そして師匠。自らを育ててくれた存在に対し、土俵上できっちりと恩返しを果たす。

 ▼笠置山 1930年代後半から40年代前半に活躍した早大専門部政治経済科出身のインテリ力士。1メートル73、101キロと小兵だったが、理詰めの四つ相撲を得意として常に三役から幕内上位で安定した成績を収めた。最高位は関脇。所属の出羽海部屋では“打倒・双葉山”の参謀格として常に対策を練り、69連勝で記録を止めた安芸ノ海にも作戦を伝授したとされる。引退後は理事として協会のスポークスマン役を務めるなど、当時の角界としては珍しい学生出身として個性を放っていた。

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2012年4月24日のニュース