若林舞衣子 岡本綾子流で復活V!涙のツアー2勝目

[ 2012年4月16日 06:00 ]

<西陣レディース最終日>18番ホール、バーディーパットを決めガッツポーズをする若林舞衣子

女子ゴルフツアー西陣レディース最終日

(4月15日 熊本県菊池郡菊陽町、熊本空港カントリークラブ=6482ヤード、パー72)
 プロ6年目の若林舞衣子(23=ヨネックス)が涙のツアー2勝目を飾った。首位から出て4バーディー、1ボギーの69をマーク。通算7アンダー、209で逃げ切った。08年10月、SANKYOレディース以来のツアー2勝目。2打差の2位に茂木宏美(34=赤城CC)が入り、4位から逆転を狙った有村智恵(24=日本ヒューレット・パッカード)は73とスコアを伸ばせず8位に終わった。
【最終R】

 勝利の興奮冷めやらぬ18番グリーンでのスピーチ。目を真っ赤にした若林は「昨年はぎりぎりでシード入りでした。本当に苦しい一年だった」と声を詰まらせた。4シーズンぶり2勝目の喜びはひとしおだった。

 数々のアマタイトルを引っ提げ、19歳でプロテストに一発合格。20歳で早々に優勝した。ゴルフ人生で初めて壁に当たったのが、賞金シード最後の枠となる53位に終わった昨年。「ゴルフが楽しくなかった。ショットが思い通りにならず飛距離も落ちた。どうすればいいか分からなくなっていた」。わらにもすがる思いで岡本綾子に師事した。11月から月に1、2回の指導を受け、ダウンスイングで左サイドに突っ込む癖を直し軸回転のスイングに改造した。

 同門の服部真、青山らも交えた食事の席も勉強だ。左党の岡本と杯を交わすのはもっぱら酒どころ・新潟出身の若林。以前は日本酒を口にしたことはなかったが、そこで岡本が話す一言、二言が「身になり骨になるんです」と言う。

 前日も岡本から電話でスイングのアドバイスなどをもらい、安心できたという。13番で1・5メートルのパーパットを外し一歩後退。追い上げる茂木に並びかけられたが、「焦りは禁物」「いいことも悪いことも全て自分がやってるんだよ」という師匠の言葉が支えとなった。胸突き八丁の16番で4メートルを沈め、18番は1・5メートルに寄せてバーディーを決め、2打差をつけて逃げ切った。

 岡本からは関係者を通じ「7アンダーは大したもの」と祝福の電話が入った。それでも、本人は「まだまだ実力じゃない。もっと練習して頑張りたい」と貪欲。米ツアーで日本を代表して戦う選手になる――。アマ時代の夢をかなえるまで、もう立ち止まるつもりはない。

 ◇若林 舞衣子(わかばやし・まいこ)1988年(昭63)6月9日、新潟県加茂市出身の23歳。加茂中3年の03年に日本ジュニア優勝。開志学園高1年の04年に関東女子アマ優勝。05年に世界ジュニアの団体・個人(15~17歳の部)で2冠。07年にプロテスト合格。08年にSANKYOレディースで初優勝し、賞金ランク21位で初シードも獲得。1メートル65、58キロ。

 ▼石川遼 ジュニア時代から友達です。今でも1年に1回くらいは顔を合わせますよ。本当におめでとうございます。岡本さんのお力ですね。(クラブ契約が同じヨネックス)

続きを表示

2012年4月16日のニュース