杉本&田知本Vならず…園田監督「頭が痛い」

[ 2012年4月16日 06:00 ]

決勝で山部(上)に攻められる杉本(下)

柔道全日本女子選手権

(4月15日 横浜文化体育館)
 ロンドン五輪の女子78キロ超級代表候補の杉本美香(27=コマツ)は決勝で、田知本愛(23=ALSOK)は準々決勝で敗れ、最終選考会となる来月の全日本選抜体重別選手権(福岡)に向け課題の残る結果となった。両者を下した山部佳苗(21=山梨学院大4年)が初優勝。また、初出場の15歳・朝比奈沙羅(渋谷教育渋谷高1年)が4強入りする健闘をみせた。

 全日本女子の園田隆二監督の「頭が痛い」という第一声が、苦悩を物語っていた。「やってきたことを出せないのは弱い証拠。期待していただけに情けない」とまくし立て「(五輪に)出さないという選択肢も考えたいくらい」と苦笑した。

 怒りの対象は最重量級の2本柱だ。代表争いをリードする杉本は決勝で技ありを奪われ完敗。「また一からやり直し」と涙をこらえたが、園田監督は「(技ありを取られても)本当に強かったら取り返している」と切り捨てた。追う立場の田知本も判定負けし「自分に負けた」とがっくり。同監督は「2人とも(選考材料に)マイナスしかない」と眉をひそめた。

 代表争いに関わる重圧が2人にかかっていたことは事実。だが、北京五輪Vのトウ・ブン(中国)を追う日本としては「これでトウ・ブンと戦える、というところを見せてほしかった」(園田監督)のが首脳陣の本音。来月の福岡で評価を変えることができるか、正念場となる。

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2012年4月16日のニュース