川内 ペースメーカーだったのに…マラソン人生初V

[ 2012年4月16日 06:00 ]

<かすみがうらマラソン>フルマラソン男子の部で優勝し、観客の歓声に手を挙げて応える川内優輝

 第22回かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソンかすみがうら大会(スポニチ主催)は15日、茨城県土浦市、川口運動公園北側交差点スタート、同陸上競技場ゴールで大会最多2万7353人が参加して行われた。男子フルマラソンは公務員の最強市民ランナー・川内優輝(25=埼玉県庁)が2時間22分38秒で優勝し、同女子は田村幸江(42=葛西ランナーズ)が2時間49分00秒でともに初優勝。2人は姉妹マラソンとして提携するシドニーマラソン(9月16日)に派遣される。

 圧巻のラストスパートだった。ダッシュのような勢いで競技場に姿を見せた川内が、大歓声を浴びて涼しい顔でフィニッシュ。ロンドン五輪代表落選以降、初めての42・195キロでマラソン人生初優勝。「初めての優勝なんで、凄くうれしい。気持ち良く走ることができた」と笑みを浮かべた。

 今大会が初マラソンだった弟・鴻輝のペースメーカーとして出場。優勝は狙っていなかったが、中間点を過ぎ弟が遅れると、前を追うランナーとしての闘争心に火が付いた。後半にペースを上げると、ラスト2・195キロは驚異の6分9秒。2時間22分38秒はこれまでの11度のレースで最も遅いタイムだが、「ラストでうまく切り替えられた」と納得の表情を浮かべた。

 29日にはドイツ・デュッセルドルフ・マラソンに出場する。「初めての欧州のレースで、優勝争いすることが目標です」。5月1日に成田空港に帰国し、そのまま勤務する埼玉・春日部高に出勤する予定。スーツを持参して欧州遠征に挑む市民ランナーから、今後も目が離せない。

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2012年4月16日のニュース