稀勢の里 朝青龍の襲来に動揺!?痛恨の2敗目

[ 2011年11月22日 06:00 ]

<九州場所9日目>稀勢の里を小股すくいで破る日馬富士

大相撲九州場所9日目

(11月21日 福岡国際センター)
 因縁の男に“足をすくわれた”?大関獲りの関脇・稀勢の里は大関・日馬富士に小股すくいで敗れて痛恨の2敗目を喫した。この日は昨年引退した元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(31)が来場。元横綱は取組前に支度部屋に進入し、弟分の日馬富士を激励。気合を注入された大関の気迫の前に稀勢の里はなすすべなく沈んだ。1敗力士が消え、全勝・白鵬と琴奨菊の一騎打ちムードが濃くなった。
【取組結果】

 出番前の東の花道、顔を紅潮させながら気合を入れていた稀勢の里は突然出現した朝青龍から臀部(でんぶ)を叩かれた。朝青龍とは5年前の九州場所では立ち合いで蹴たぐりを見舞われ、07年の春場所は取組後に背中を蹴られるなど数々の因縁がある。表情は変えなかったが、“天敵”の襲来に動揺は隠せなかった。

 大関候補は平常心を保てないまま土俵に上がり、完全にリズムを崩していた。片や、出番前の支度部屋で“アニキ”と慕う朝青龍からキスとハグで激励された日馬富士は気合十分。稀勢の里は立ち合いであっさりと両前まわしを引かれると、低く攻めた相手のスピードに翻弄(ほんろう)され、最後は右下手投げからの小股すくいを決められた。無表情で引き揚げてきた25歳は「見ての通りでしょ、くそ」と、いら立ちを隠しきれなかった。

 昇進の重圧からか、土俵際で逆転勝利した前日の琴欧洲戦同様、立ち合いで後手に回っているのは気がかりだ。昇進の目安となる11勝まで残り6日間で4勝しなければならないが、安定感抜群の白鵬に加え、ここ1年で1度も勝っていない把瑠都、琴奨菊が控えている。放駒理事長(元大関・魁傑)も「横綱、大関にすべて勝てればいいが、そうはいかない。残った相手にどう取るか」と、怪しくなってきた昇進への見通しを話した。稀勢の里にとっては元横綱・朝青龍の問題行動が起因となり、痛い2敗目。亡き師匠にささげる大関昇進に向け、にわかに暗雲が漂ってきた。

続きを表示

2011年11月22日のニュース