藤田 再起V!“ケガの巧名”13カ月ぶり勝利

[ 2011年10月17日 06:00 ]

<富士通レディース最終日>優勝トロフィーを手に、笑顔を見せる藤田幸希

女子ゴルフツアー富士通レディース最終日

(10月16日 千葉県千葉市・東急セブンハンドレッドクラブ西コース=6635ヤード、パー72)
 2位から出た藤田幸希(25=TOSHIN)がデッドヒートを制し、昨年9月の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯以来、1年1カ月ぶりのツアー5勝目を手にした。2番でトップに立ち、一時は賞金ランクトップのアン・ソンジュ(24=韓国)に逆転を許したが、5バーディー、3ボギーの70で回り、通算7アンダーとして1打差で振り切った。次週のマスターズGCレディース(スポニチ主催)からの残り6試合で目標に掲げているシーズン2勝目を狙う。
【最終R成績】

 冷静で知られる藤田が派手なガッツポーズを見せた。1組前のアン・ソンジュに1打リードを許して迎えた15番。下りのスライスラインだった7メートルのバーディーパットを決めると、痛いはずの右手を2度、3度と振り下ろした。7アンダーまで伸ばすと、アンが17番でボギーを叩いて後退。し烈な優勝争いを1打差で制した。ホールアウト後にガッツポーズの映像を見ると「なんか、遼くんみたいでしたね」と照れた。

 故障を乗り越えて優勝をつかんだ。連覇を狙った9月の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯。2位で迎えた最終日は疲労の蓄積もあり右肩、右腕の痛みに襲われ、12位に終わった。3週後の日本女子オープンでも痛みが出て、最終日に途中棄権を余儀なくされた。先週のSANKYOレディースは欠場。この間、シャワーを右手で持つこともできない状態だった。

 「きちんと体調を整えられなかった自分自身が悔しかった」。疲れがたまらないように練習量を減らし、代わりにマッサージ、ストレッチに時間を割いた。試合では腕に負担のかからないように「ラフに入ったら無理に強打しない」「パットはゆっくり」を心掛けたが、それがプラスに作用。1打リードで迎えた18番パー4は第2打でグリーンを外したが、慌てることなく寄せ、きっちりパーセーブ。ケガの功名で再起を果たすと「少し精神面で成長したかな」と手応えを口にした。

 コーチでもある父・健さんが内臓疾患で倒れたのは昨年オフ。5月に手術を受け、8月のmeijiカップには応援に来られるまで回復した。今回は会場に姿を現さなかったが、藤田は「気楽にやればいい。でもリコーカップに出られるようになるといいね」との激励を受けていた。優勝により賞金ランクは28位から13位に浮上。文句なしに最終戦のLPGAツアー選手権リコーカップの出場資格を手にし、父の期待に応えた。

 シーズン前に立てた目標は複数優勝。06年の初優勝からシーズン2勝は経験がない。今季は次週のマスターズGCレディースから残り6試合。「やっと目標の2勝目を狙える権利を得た。頑張ります」と声を弾ませた。

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